死後はどうなる?「SNSアカウント」放置のリスクと事前対策

私たちの生活で切り離せないものになっているSNS。

情報収集や自己表現の手段として、今や若者だけでなく中高年にも広く利用されています。

毎日何気なく利用しているSNSですが、もしも自分に何かあった場合、アカウントや投稿はどうなるのでしょうか?

そんな疑問を抱いたことがある方も多いかもしれません。

実は、何も対策をしていないと、SNSアカウントはネットワーク上に残り続ける可能性があります。

本記事では、主要なSNS各社の対応や、万が一に備えた事前準備について詳しく解説していきます。

目次

自分が亡くなった後のSNSはどうなる?

何も手続きをしなければ、SNSアカウントはそのまま残り続けます。

そのため、故人の家族や友人がアカウントの削除や追悼設定を行う必要があります。

ただし、SNSによっては手続きが複雑な場合もあり、事前に知っておくことでスムーズに対応できるでしょう。

放置がダメな理由

「手続きが面倒だから放置しておこう」そんな考えが浮かぶこともあるかもしれません。

しかし、アカウントの放置にはいくつかのリスクが伴います。

なぜ放置してはいけないのか、具体的に見ていきましょう。

家族でも使えない

多くのSNSでは、本人以外がアカウントを利用することを禁止しています。

プライバシー保護の観点から、たとえ家族であってもログインや投稿の変更はできません。

そのため、アカウントが事実上“凍結”され、遺族がデジタル遺品として整理できなくなってしまいます。

悪用される

長期間放置されたアカウントは、不正アクセスや乗っ取りの標的になる可能性があります。

例えば、詐欺行為やスパム投稿に利用されたり、第三者によって故人を装ったなりすまし行為が行われるケースもあります。

こうしたリスクを避けるためにも、早めの対処が重要です。

荒らされる・心ないコメントが届く

管理者がいなくなったアカウントは、悪意のあるユーザーによって荒らされることがあります。

また、故人の死を知らない知人から無邪気なコメントが届き、それが遺族の心を傷つける可能性もあります。

SNSの投稿が故人の思い出の場所になる一方で、家族の精神的負担を増やしてしまうことも考えられます。

各SNSでの対応方法

SNSごとに対応方法は異なります。

ここでは代表的なSNSの死後対応について紹介します。

Facebook

Facebookは追悼アカウントの設定とアカウントの抹消が選択できます。

追悼アカウント

追悼アカウントに切り替えることで、友人や家族が故人を偲び、思い出を共有できる場になります。

生前の投稿や写真はそのまま残り、プロフィールには「追悼」という表示が追加されます。

参照:Facebook 追悼アカウントについて

追悼アカウント管理人を事前設定しておくことができます。

追悼アカウント管理人とは、自分のアカウントが追悼アカウントになった場合に、アカウントを管理してくれる人のことです。

自分のアカウントに追悼アカウントの管理人を追加することで設定できます。

参照:Facebookの追悼アカウント管理人について

アカウントの抹消

使用者がメインプロフィールから指定しておくと、使用者の死亡通知がFacebookに届いた場合、すべてのメッセージ、写真、投稿、コメント、リアクション、などの情報は完全に削除することができます。

メインプロフィールと追加のFacebookプロフィール(ある場合)もすべて削除されます。

家族からも削除のリクエストは可能です。

参照:Facebook 亡くなった家族のFacebookアカウントについて削除をリクエストする

Instagram

次にInstagramの対応について見ていきましょう。

InstagramもFacebookと同様に、追悼アカウントの設定とアカウントの抹消が選択できますが、追悼アカウント管理人の指定やページの抹消表明の保存はできません。

追悼アカウント

家族や友人のリクエストによって追悼アカウントに変更できます。

追悼アカウントになると、投稿やプロフィール情報はそのまま保存されますが、新たなログインや投稿はできなくなります。

アカウントの抹消

故人の近親者であることを証明できる方に限り、故人のInstagramアカウントの削除をリクエストできます。

削除リクエストを送信する際には、故人の近親者であることを証明できる以下のような書類が必要です。

・亡くなった方の出生証明書

・亡くなった方の死亡証明書

・亡くなった方またはその財産の合法的代理人であることを示す法的文書

事前に手続きの流れを確認しておくと良いでしょう。

参照:Instagram 亡くなった方のInstagramアカウントを報告する

X(旧Twitter)

次にX(旧Twitter)を見ていきましょう。

Xは、権限のある遺産管理人または故人の家族のリクエストによってアカウントを削除することができます。

リクエストが受領された後、リクエストを送信した方の身分証明書のコピー、故人様の情報や死亡証明書のコピーなどを提出し、削除手続きを進めます。

参照:X ユーザーが亡くなられた場合

LINE

LINEのアカウントは、アカウントの利用者のみが利用でき、他人が取得、行使することができません。

従って、使用者の死亡時にはそのアカウントは削除するしかありません。

削除のリクエストはご家族からできます。

問い合わせフォームから削除のリクエストを送信してください。

参照:LINE 故人のアカウントを閉鎖する

アカウントの取り扱い方

死後のアカウントの取り扱いについては、SNS各社の対応は異なりますが、共通しているのは「本人以外が自由にアクセスできない」という点です。

アカウントを「死後は削除してほしい」とか「遺しておいてほしい」といった希望があれば、きちんと家族や信頼できる人に伝えておくか、エンディングノートなどに記しておく必要があるでしょう。

日頃から整理しておこう

万一に備え、追悼アカウントの設定や削除リクエストの流れを理解しておくことが重要です。

また、長期間使わないアカウントは生前に整理・削除しておくことで、家族の負担を軽減できます。

SNSは便利で楽しいツールですが、最後まできちんと管理することで、大切な人たちへの思いやりにもつながります。

日頃から少しずつデジタル整理を進めて、もしものときも安心できるよう備えておきましょう。

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この記事を書いた人

終活図書館編集部/思い出コンサルタント®︎
関西を中心に生前・遺品整理事業サービスを提供する株式会社カラーリスタを中心に、終活や保険のプロがさまざまな情報を発信しています。
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