生前戒名のメリットは？お布施の費用など体験談をもとに解説！

生前戒名とは、生きている間に仏教の戒名を受けることを指します。

戒名とは、亡くなった方が仏門に入る際に与えられる名前であり、死後に授かるイメージをお持ちの方もいるかもしれません。

実は、生前に戒名を受けることは仏教においても良いこととされています。

さらに、死後に戒名を授かる場合と比べて費用を抑えられるなどのメリットもあるのです。

今回は、生前戒名を授かるのメリットや注意点、お布施の費用などを実際の体験談を交えてご紹介します。

生前戒名とは？

生前戒名とは、通常は死後に授けられる戒名を生きている間にいただくことを指します。

現代では死後に戒名を受けることが一般的になっていますが、元々は生前に授与されるものでした。

最近では終活に取り組む方も増え、生前の準備として生前戒名を授かる方も増えています。

仏教では縁起が良いとされている

仏教では生前に戒名を授かることは、縁起が良い行為とされています。

戒名は元々は生前に与えられるものであり、死後に授けられるよりも徳が高いとされているのです。

戒名は宗派によって特徴が異なる

戒名の付け方は宗派によって特徴が異なります。

例えば、真言宗の戒名は、戒名の1文字目に大日如来を意味する「アを表す梵字」が用いられます。

また、浄土真宗では戒名とは呼ばず「法名」が与えられるなど、宗派によって戒名の呼び方なども異なるのです。

生前戒名を授かるメリット

戒名は死後でも授かれますが、生前に準備をすることで費用が抑えられるなどのメリットもあります。

ここでは、生前戒名を授かるメリットをご紹介します。

自分の好みを考慮してもらえる

戒名を授かるにあたり、希望を考慮してもらえるメリットもあります。

基本的には僧侶が戒名を検討し、授けるものであるため、完全に希望が通るとは限りません。

しかし、趣味や好み、好きな漢字などを考慮して授けてもらえます。

死後に授かる戒名は自分の好みとは限らないので、事前に相談しながら好みを考慮した名前を授かれる点はメリットでしょう。

お布施の費用が抑えられる場合がある

生前に戒名を授かる場合は、死後に授かる場合と比較して費用が抑えられる場合があります。

費用が抑えられる理由は、死後に授ける場合と比較して時間に余裕があるなどの理由が挙げられます。

また、生きている間に戒名を授けることで、檀家との関係性が深まり離壇を防ぐ効果もあるため、費用が安くなるとも言われています。

家族の負担を軽減できる

生前戒名を準備することで家族の負担を軽減できるメリットもあります。

一般的には、葬儀の際に戒名を依頼して授けてもらいますが、戒名の位号によっては高額なるケースも少なくありません。

生前戒名を授かることで金銭的な負担だけでなく、本人が納得した戒名で送り出せるという家族の心理的な負担も軽減できるでしょう。

生前戒名の授与における注意点

生前戒名を授かるメリットも多いですが、一方では家族に伝え忘れによって起こるデメリットなどもあります。

生前戒名を授かる際に知っておきたい注意点も理解しておきましょう。

家族や親族に相談する

生前戒名を授かるときは、必ず親族に家族や親族に相談しましょう。

本人が亡くなった後、家族や親族が生前戒名の授与を知らなかった場合、新たに戒名を授かることになります。

生前に気に入った戒名が使われないのであれば、生前の準備が意味のないものになってしまいます。

菩提寺に依頼をする

菩提寺とは、先祖代々のお墓があり、葬式や法要を営む寺院のことです。

菩提寺がある場合は、生前戒名の依頼はそのお寺に相談してみましょう。

他のお寺で生前戒名を授与された場合、菩提寺での弔いを拒否されることもあるため注意が必要です。

お布施の費用

生前戒名の授与にかかるお布施の費用は、一般的には30〜50万円と言われていますが、戒名のランクによっても異なります。

また、宗派によって相場が異なるため、菩提寺がある方は一度相談されることをお勧めします。

個人的な体験談として、生前戒名の費用は下記のとおりでした。

宗派：真言宗
位：信女
費用：10万円
期間：1週間ほど

生前戒名を授かった体験談

生前戒名のきっかけは祖母の余命宣告

祖母が生前戒名を授かったのは、病気が悪化して余命宣告を受けてからでした。

入院中の祖母と連絡を取り合いながら、少しずつ生前整理を進めていきました。

祖母が納得した状態で送り出したいとの思いから、お付き合いのあったお寺に生前戒名を依頼。

早速電話をかけ、祖母の状況を伝え、生前戒名をお願いしたいと相談したところすぐに引き受けてくださいました。

「お祖母様の趣味や好きなものはありますか？」

住職さんに祖母の好みやこれまでの人生などを聞きてもらい、戒名を授けてもらいました。

授かった戒名を見て喜ぶ祖母

祖母は町内会のカラオケ大会に出場するほど歌うことが好きだったので、歌にまつわる漢字を入れてもらい満足した様子でした。

「まるで演歌歌手のような名前だわ」

授かった戒名を祖母に見せると「こんな立派な名前をつけてもらえてよかった」と喜んでいました。

喜ぶ祖母の姿を見て、私たち家族も安心しました。

私たちも生前に祖母が納得する名前をつけてもらえたので、心置きなく送り出せたことが良かったです。

生前戒名の準備は家族と進めよう

今回は、生前戒名を授かるのメリットや注意点、お布施の費用などを実際の体験談を交えてご紹介しました。

生前戒名は、仏教では縁起が良い行為とされており、死後に戒名を受けるよりも費用が抑えられるなどもメリットもあります。

しかし、生前戒名を授かったことを家族や親族に伝え忘れると二重戒名になる可能性もあるため注意が必要です。

生前戒名や死後の準備は残された家族の負担軽減につながりますが、事前に伝えておくこともトラブルを回避する方法です。

生前の準備として生前戒名を検討されている方は、菩薩寺に相談してみましょう。