昔のアルバムから写真を剥がす方法~思い出を傷つけずに、きれいに取り出すコツ~

押し入れや本棚の奥から出てきた、懐かしい昔のアルバム。

幼い頃の写真や家族との旅行、何気ない日常の一枚一枚には、そのときの思い出が詰まっています。

しかし、古いアルバムに貼られた写真を整理しようとしても、台紙にぴったり張り付いていて簡単には剥がせない……そんな経験はありませんか?

「このままでは写真が劣化してしまうのでは?」「剥がしたいけれど破れたらどうしよう」と心配になる方も多いでしょう。

そこで今回は、昔のアルバムに張り付いた写真をできるだけきれいに剥がす方法や、剥がしたあとの注意点、写真の整理方法などをご紹介します。

大切な思い出をこれからも残していくために、正しい扱い方を知っておきましょう。

目次

昔のアルバムから写真が剝がれない理由

昔のアルバム、特に昭和後期から平成初期にかけて主流だった「粘着式台紙」のアルバムは、台紙に粘着性のある糊がついており、その上に透明のフィルムをかぶせて写真を固定する構造になっています。

このタイプのアルバムは、見た目も整っていて使いやすかった反面、長期間そのままにしておくと糊が劣化し、写真と台紙が強くくっついてしまうことが多くあります。

また、湿気や温度変化によって糊が変質し、写真の裏面と一体化してしまうことも。

無理に剥がそうとすると、写真の裏が破れたり、表面の印刷部分が剥がれてしまったりと、せっかくの思い出が台無しになるリスクもあります。

糊が茶色く変色していたり、フィルムが黄ばんでいたりする場合は、写真の裏に粘着物質がしみ込んでいる可能性があるので、より慎重な対応をしなければなりません。

古いアルバムから写真を取り出す際は、一枚ずつ状態を確認しながら、丁寧に作業するようにしましょう。

剥がし方

ではどのように剥がしたらいいのでしょう。

うまく剥がす方法をご紹介します。

ただし以下の方法は、いずれも写真やアルバムの状態によってリスクがあります。

必ず自己責任で行い、最初に目立たない写真で試してみることをおすすめします。

水につけて陰干しする

少し意外に思われるかもしれませんが、写真ごとアルバムの台紙を切り取り、水にしばらく浸けておくことで、糊がゆるんで剥がれやすくなることがあります。

特に「水性糊」が使われている場合には有効です。

洗面器やバットなどにぬるま湯を張り、写真ごと台紙の切れ端を入れて、様子を見ながら30分から1時間ほど浸けてみましょう。

その後、無理に引きはがさず、指先やピンセットで少しずつ優しく剥がします。

事前に清潔なタオルや乾いた布、毛抜きやカッター、ピンセットなどの道具を準備しておくと作業がスムーズです。

剥がし終わったあとは、乾いたタオルの上などに平らに置き、陰干しでしっかり乾燥させましょう。

また、台紙の切り取りが難しい場合や写真の周囲に十分な余白がない場合は、無理に水に浸けるのではなく、別の方法を検討しましょう。

写真の状態に応じて柔軟に対処することが、失敗を防ぐポイントです。

ドライヤーで温める

台紙の糊が熱でやわらかくなる性質を利用した方法です。

写真の裏から台紙ごとドライヤーの温風を数十秒あてて、糊を少しずつやわらかくしていきます。

温風をあてながら、写真の端を少しずつ持ち上げていくと、台紙から浮いてくることがあります。

熱を加えすぎると写真の印刷面が変色したり、波打ったりする恐れがあるため、写真とドライヤーの距離を20~30cmほど取り、短時間ずつ様子を見ながら行うのがコツです。

作業中に少しでも違和感を覚えたら、すぐにドライヤーを止め、別の方法に切り替えましょう。

思い出を守るために、焦らず、慎重に進めてください。

台紙ごと切り取る

どうしても写真が剥がれない、またはリスクを避けたい場合は、台紙ごとカッターなどで切り取る方法もあります。

写真の裏に台紙が残ってしまうものの、表面を傷つけることなく保存することができます。

台紙が厚手でカットが難しい場合は、無理せず一部だけを切り抜いて、上記の方法と併用して剥がすなど、柔軟な発想で工夫しましょう。

作業の際はケガなどに注意し、安全第一で行ってください。

剥がした後の注意点

うまく写真が剥がせたとしても、油断は禁物です。

適切に扱わないと、せっかく救い出した写真が劣化してしまうこともあります。

以下の点に注意しましょう。

しっかり乾燥させる

水を使って剥がした場合はもちろん、ドライヤーを使ったあとも、写真の裏に湿気が残っていることがあります。

湿ったままの状態で重ねてしまうと、カビや変色の原因になるので、必ず平らな場所でしっかり乾かしてください。

乾燥時は、写真が曲がったり反り返ったりしないよう、四隅に軽い文鎮や本などの重しを乗せておくのも効果的です。

乾かす時間は、湿度にもよりますが半日から一日程度を目安にしましょう。

重ねて保存しない

写真同士を直接重ねると、表面のコーティングが傷んだり、くっついたりしてしまうことがあります。

保存する際は、間に薄い紙(トレーシングペーパーや無酸性の中性紙)を挟むなどして、写真が直接触れ合わないように注意しましょう。

保存しておく場所にも注意が必要です。

高温多湿を避け、直射日光の当たらない風通しのよい場所に保管することで、写真の劣化を防ぐことができます。

写真の整理方法

剥がした写真は、そのまま放置せず、きちんと整理することが大切です。

せっかくの機会ですから、写真の保存方法を見直してみましょう。

新しいアルバムに入れる

近年は、写真にやさしい「ポケット式」や「フリー台紙タイプ」のアルバムが多数販売されています。

酸や塩素を含まない素材を使ったアルバムは、写真の変色や劣化を防ぎ、長期保存にも適しています。

写真の裏に日付や場所、登場人物の名前などを書いておくと、後から見返したときに思い出がよみがえりやすくなります。

写真のデータ化もおすすめ

可能であれば、この機会に写真をスキャンしてデジタル化しておくのもおすすめです。

データ化すれば、劣化の心配がなくなるだけでなく、スマートフォンやパソコンでいつでも閲覧できるようになりますし、家族や親戚と簡単に共有することもできます。

データ化はスキャナーを使って自分で行うほか、最近では写真のスキャンを専門にしているサービスも充実しています。

手間を省きたい場合や枚数が多い場合などは、専門業者に依頼するというのも一案です。

スマートフォンのアプリを使えば簡易的にスキャンできるものもあるので、まずは身近な方法から試してみてもよいでしょう。

剥がした後は早めに整理を

古いアルバムに眠る写真は、時間とともに劣化が進んでいきます。

思い出を守るためにも、気づいたときに早めの対応が大切です。

無理に剥がそうとせず、紹介した方法を慎重に試しながら、一枚一枚大切に取り出していきましょう。

剥がした写真は放置せず、新しいアルバムへの整理やデジタル化を進めることをおすすめします。

写真にとって埃や手の油脂、湿気は大敵です。

保管場所にも気を配り、大切な思い出を次の世代にも残していけるよう、心を込めて写真整理をしてみてください。

写真の保管方法は過去記事で紹介していますので、そちらも参考にしてください。

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この記事を書いた人

終活図書館編集部/思い出コンサルタント®︎
関西を中心に生前・遺品整理事業サービスを提供する株式会社カラーリスタを中心に、終活や保険のプロがさまざまな情報を発信しています。
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