そのまま捨てちゃダメ!家庭で出た「土」の正しい処分方法

ガーデニングや家庭菜園の趣味で使った土や、植木鉢に入っていた古い土。

ふと気がつけば、庭の隅やベランダの片隅に、もう使わないまま残ってしまっていることはありませんか?

遺品整理の場面でも「鉢植えの植物が枯れて土だけが残っている」「庭の家庭菜園スペースに古い土が山積みになっている」など、意外と土の処分に困るケースは少なくありません。

とはいえ、自然のものだからといって安易に捨ててしまうのはNG。

たとえ土であっても、適切に処分しなければ「不法投棄」とみなされてしまうおそれがあるのです。

今回は、家庭や遺品整理の中で出てくる「不要になった土」の正しい処分方法について、わかりやすく解説します。

処分する際の注意点、自分で捨てる方法や業者に依頼するケースなど、知っておきたい情報を一つずつ見ていきましょう。

目次

家庭で利用した土を捨てたい

「土って自然のものだし、適当に捨てても問題ない」

そう思ってしまいがちですが、実は大きな落とし穴があります。

敷地外に土や石を捨てるのはダメ

庭やプランターに使っていた古い土。

もう使わないからといって、空き地や山林、河原などにこっそり捨ててしまう…

そんな行為は立派な「不法投棄」となり、廃棄物処理法違反にあたります。

廃棄物処理法では、「不要になったものを公共の場に捨てる行為」は違法とされており、たとえそれが土や石といった自然由来のものでも例外ではありません。

特に近年は環境保護の観点から取り締まりも厳しくなっており、違反した場合は罰則(5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金)が科されることもあります。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第25条

なぜ不法投棄になるのか?

「土なんて自然に戻るものだし、誰にも迷惑かからないのでは?」と思いがちですが、実際には以下のようなリスクがあるのです。

  • 土に肥料や化学薬品が混ざっていれば、環境汚染の原因になる
  • 雨水と一緒に流れ出し、下水や川を汚染する可能性がある
  • 見た目も悪くなり、景観を損ねる
  • 他人の土地に捨てれば、器物損壊や不法侵入にも発展する

こうした理由から、たとえ家庭から出た土であっても、むやみに捨てることは許されません。

正しい処分方法を選ぶことが大切です。

環境省:廃棄物の処理及び清掃に関する法律の施行について

捨てる時の注意点

土を処分する際には、「何と混ざっているか」にも目を向ける必要があります。

土とは別のものが一緒になっていると、回収してもらえないこともあるので注意しましょう。

土と砂・砂利・石は分けて考える

処分の際に気をつけたいのが、「土」と「砂利」「石」は別物であるということです。

たとえば庭の一角を片づけていたら、古い土に砂利や小石が混ざっていた…という場合、そのままでは回収してもらえないことがあります。

多くの自治体では、土と他の素材が混在しているものは回収不可とされており、処分を受け付けてもらえない可能性があります。

そのため、できるだけ事前にふるいにかけるなどして、純粋な土とその他のものを分けておくことが重要です。

また、観葉植物の鉢などに使われる「軽石」「ハイドロボール」「ゼオライト」なども、自治体によっては土ではなく「不燃ごみ」扱いになります。

自治体のルールを必ず確認しましょう。

土の処分方法

では実際に、不要になった土はどのように処分すればよいのでしょうか?

不要な土の処分方法は、大きく分けて以下の2つです。

  • 自分で処分する
  • 業者に依頼する

それぞれ費用や手間の面でメリット・デメリットがあります。

自分に合った方法を選ぶことが大切です。

自分で処分する方法

まずは、自分で処分する方法から見ていきましょう。

費用を抑えたい人や、少量の場合に向いています。

各自治体のゴミとして出す

自治体によっては、少量の土を「粗大ごみ」や「特別ごみ」として受け入れている場合もあります。

ただし、すべての地域で対応しているわけではなく、量や回収場所に制限があるため、事前の問い合わせが必須です。

メリット

  • 費用が安く済む、または無料
  • 手軽に利用できる

デメリット

  • 持ち込みが必要
  • ルールが細かく定められており、従う必要がある

再利用や譲渡

まだ使える土であれば、自宅の他の場所で再利用したり、知人やご近所でガーデニングをしている人に譲るのも一つの方法です。

地域の掲示板やSNSなどで引き取り手を探すこともできます。

メリット

  • 処分費用がかからない
  • 環境にやさしい

デメリット

  • 引き取り手を探す手間がかかる
  • 引き取り手が見つからない場合もある
  • 運搬が必要

ホームセンターの回収サービスを利用

一部のホームセンターでは、「使い終わった土の回収ボックス」を設置している店舗があります。

購入者限定など条件がある場合もあるため、利用前に確認しましょう。

メリット

  • 気軽に持ち込むことができる
  • 土の扱いに慣れている店で安心

デメリット

  • すべての店舗で対応しているわけではない
  • 店舗に持ち込みが必要

業者に依頼する方法

量が多い場合や、手間を省きたい場合は、専門業者に依頼するのも選択肢のひとつです。

信頼できる業者を選ぶことがポイントです。

購入した店舗で処分してもらう

園芸用土を購入したお店によっては、購入者に限り古い土の回収サービスを行っていることもあります。

中には「新たに土を購入すれば、古い分を引き取る」という条件がつく場合もあるので注意しましょう。

メリット

  • 信頼できる処分ルートであること
  • 安心感がある

デメリット

  • 条件によって利用できない場合もある

造園業者や石材業者に依頼

造園業者や外構工事業者など、土を扱う専門業者に有料で処分を依頼する方法もあります。

現地回収に対応してくれるところもあり、量が多い場合に便利です。

メリット

  • 大量でも処分できる
  • 専門知識があるので安心

デメリット

  • 処分のみでは断られることもある
  • 費用がかかる

不用品回収業者に依頼

特に遺品整理などで大量に土や庭石が出た場合は、不用品回収業者にまとめて依頼するのが効率的です。

メリット

  • 手間がかからずスピーディー
  • 重いものも安心

デメリット

  • 費用が高め
  • 信頼できる業者選びが必要

また、大量の土やコンクリートブロックなどは「産業廃棄物」とみなされ、対応できる業者が限られる点にも注意が必要です。

特に建設系の残土は金属などのクズが混ざっている場合もあります。

そのような場合、産業廃棄物収集運搬の許可を持つ業者でなければ引き取りができません。

ルールに従い安全に処分しよう

家庭菜園や園芸、そして遺品整理の現場で意外と見落とされがちな「土の処分」。

土は自然由来のものですが、むやみに捨てれば環境問題や法律違反にもつながります。

本記事でご紹介した処分方法については、それぞれにメリット・デメリットがありますので、自分の状況や量、予算に応じてベストな方法を選択しましょう。

何より大切なのは、適切な場所・方法で捨てることです。

自然や周囲の人に迷惑をかけないためにも、正しい情報を知って、納得できる形で不要な土を手放していきましょう。

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この記事を書いた人

終活図書館編集部/思い出コンサルタント®︎
関西を中心に生前・遺品整理事業サービスを提供する株式会社カラーリスタを中心に、終活や保険のプロがさまざまな情報を発信しています。
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