高齢者を狙った『終活詐欺』に注意!トラブル事例と対策を解説!

終活 詐欺

最近は「終活」に対する認知度も高まり、老後に備えて取り組む方も少なくありません。

しかし、一方では終活に取り組む高齢者を狙った「終活詐欺」が増加しているのです。

例えば、訪問による買取依頼でキャンセル料を請求されたり、貴金属を見せるよう強要されたり、様々なトラブルが報告されています。

また、消費者庁のデータによると、終活詐欺被害に遭った6割以上が65歳以上の高齢者との報告もあります。

今回は、高齢者を狙った「終活詐欺」のトラブル事例と防ぐための方法、詐欺に遭った時の対処法についてご紹介します。

目次

終活に関する詐欺的トラブルが急増

終活詐欺とは、終活に取り組む方を狙った詐欺行為を指します。

終活には、財産整理や遺言書の作成、葬儀の手配、相続の準備、物の整理など多岐に渡りますが、これらに漬け込んだ悪徳な商法が増えているのです。

詐欺被害者の多くは高齢者であり、消費者庁に寄せられる相談も増加傾向です。

被害者の6割以上が65歳以上の高齢者

消費者庁によると、不要品の買取などの訪問買取に関する相談が2015年以降年8,000件ほど推移している状況です。

相談の6割以上が65歳以上の高齢者であり、そのうち8割が女性と報告されています。

また、国民生活センターによると訪問買取の相談件数が2020年以降も増えている状況です。

年度202020212022
相談件数6,0186,9227,760
情報元:独立行政法人国民生活センター「訪問購入(2023年9月1日更新)」

終活詐欺のよくある手口

ここでは、終活詐欺として報告されているよくある手口についてご紹介します。

①不要品の訪問買取による詐欺トラブル

自宅で買取業者に買取をしてもらう「訪問買取」によるトラブルも急増しています。

業者にそそのかされて納得できずに売却してしまったとの相談も。

トラブル事例は下記のとおりです。

  • 売却したが取り戻したいと思い連絡すると高額なキャンセル料を請求された
  • 買取後はクーリング・オフできないと言われた
  • 衣類を売却したかったのに貴金属を出すように求められた
  • 当初の依頼とは別の品物を売るように言われた
  • 身元も明かさず買取を強要された
  • テレビを処分するために業者を呼んだが、勝手に貴金属を買い取ったため返品して欲しい

報告されている相談内容には、「品物が取り返せない」などの声が目立ちます。

また、高齢の母が在宅中に業者が来て「相場よりも安価に買い取られた」などの相談もあり、高齢者の被害も増えています。

②原野商法による詐欺トラブル

原野商法とは、無価値で値上がりの見込みのない土地を値上がりするかのように偽って売りつける商法です。

消費者庁によると、過去に原野商法の被害に遭い、土地を所有している人に「所有している土地を高く買い取る」と偽り虚偽の説明で勧誘し、新たな高額契約を結ばせる二次被害が増加しているとのことです。

実際の契約は、原野の売却と同時に売却額より高額な新たな原野を購入する契約となっており、売却代金は振り込まれず、差額の支払いを求められる内容のもの。

よって、下記のようなトラブル事例が発生しています。

  • 土地の売却代金が支払われない
  • 担当者に電話をしてもつながらない
  • 契約書を見返すと、別の土地を買う契約になっていた

「自分の子どもたちに負の遺産を残したくない」など、高齢者の気持ちを利用した悪徳な詐欺と言えるでしょう。

③終活セミナーによる詐欺トラブル

終活に興味のある方をセミナーという名目で募集し、高額な葬儀プランや商品などを販売する手口です。

セミナーに参加して高額商品を契約した場合、クーリング・オフの適用外となり、キャンセルができません。

「家族に迷惑をかけたくない」という参加者の心理を利用した悪徳な詐欺でしょう。

終活詐欺を防ぐための対策

増加する終活詐欺を防ぐためには、契約内容の確認や家族への相談などの対策が必要です。

ここでは、終活詐欺を防ぐための対策をご紹介します。

一人で決めず家族や信頼できる人に相談する

不要品の買取査定や高額商品の勧誘など、その場で契約を結ばず、一旦話を持ち帰り、家族や信頼できる人に相談しましょう。

「本日契約したら高値で買い取る」「今、契約したら限定価格になる」など、契約を急かす業者もいるかもしれません。

その場の雰囲気に流されず、周囲の意見を聞きながら進めることで、詐欺被害に遭うリスクを減らせます

契約内容などを確認する

契約を結ぶ前に、必ず契約書の内容を確認してください。

  • 契約内容の詳細
  • 料金の内訳
  • キャンセルポリシー

セールスマンの口頭の説明を鵜呑みにするのではなく、自身で確認することが大切です。

契約書の書面の字が小さくて読めない場合などは、家族や信頼できる人にに確認を依頼しましょう。

不要品の買取などの訪問販売におけるルール

また、不要品の買取などの訪問買取の場合は、特定商法取引法で業者は以下の情報を提示するルールがあります。

事業者は、訪問購入をしようとするときは、勧誘に先立って、相手方に対して以下のことを告げなければなりません。

  • 事業者の氏名(名称)
  • 契約の締結について勧誘をする目的であること
  • 購入しようとする物品の種類
引用元:特定商取引法「事業者の氏名等の明示(法第58条の5)」

さらに、不要品の買取の契約が成立した際は、下記の情報が記載された書面の交付が必要です。

事業者は、契約の申込みを受けたとき又は契約を締結したときには、以下の事項を記載した書面を相手方に渡さなければなりません。

  • 物品の種類
  • 物品の購入価格
  • 代金の支払時期、方法
  • 物品の引渡時期、方法
  • 契約の申込みの撤回(契約の解除)に関する事項
  • 物品の引渡しの拒絶(法第58条の15)に関する事項
  • 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人にあっては代表者の氏名
  • 契約の申込み又は締結を担当した者の氏名
  • 契約の申込み又は締結の年月日
  • 物品名
  • 物品の特徴
  • 物品又はその附属品に商標、製造者名若しくは販売者名の記載があるとき又は型式があるときは、当該商標、製造者名若しくは販売者名又は型式
  • 契約の解除に関する定めがあるときには、その内容
  • そのほか特約があるときには、その内容
引用元:特定商取引法「書面の交付(法第58条の7、法第58条の8)」

買取を依頼した業者が「名乗らない」「書面の交付がない」「キャンセルポリシーに関する記載がない」などの場合は、すぐに契約をせず、家族や信頼できる人に相談しましょう。

高齢の家族がいる場合は定期的にコミュニケーションを取る

高齢の家族がいる場合は、定期的に連絡を取ることで詐欺を予防できる場合もあります。

日頃からコミュニケーションをとり、気軽に相談できる関係性を築くことで、詐欺を未然に防げたり、早期対応につながったりするでしょう。

「不要品を処分したい」「不要品の買取を依頼した」などの話題が出てきた場合は、1人で対応させず、相談してから契約するように伝えるなどの対応も詐欺を防ぐために有効です。

公的機関や専門家への相談

少しでも不信感や怪しさを感じた場合は、公的機関や専門家に相談することも大切です。

例えば、訪問買取の査定金額が適正か判らないなどの場合は、相見積もりを依頼し、他の業者の意見を聞くことも方法の一つでしょう。

また、契約書の内容が判断できない場合は、弁護士などの専門家に相談することも有効です。

詐欺かも?と思ったら消費者センターに相談し、助言を求めましょう。

終活詐欺に遭ったかも!?と思ったら

「詐欺に遭ったかもしれない」と気づいたら、すぐに業者とのやり取りを記録し、証拠を残しましょう

そして、速やかに相談窓口に連絡することが大切です。

消費者相談窓口「消費者ホットライン188」に相談する

消費者ホットライン188」に連絡し、地方自治体が設置している消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらいましょう。

相談窓口では、契約に関する事業者とトラブルや悪徳商法に関するトラブルなどの相談を受け付けています。

消費者ホットライン188が繋がらない場合は、国民生活センターの「平日バックアップ相談」の利用も可能です。

警察相談専用窓口「#9110」番に電話する

警察相談窓口「#9110」は、電話をかけた地域を管轄する警察本部などの相談も窓口につながる共通の番号です。

相談内容に応じて関係する部署が連携し、対応してもらえます。

警察以外で対応が必要な場合は、法テラスや消費生活センターなどの専門機関への引き継ぎや紹介などの対応も行っています。

終活詐欺の被害に遭わないために

今回は、高齢者を狙った「終活詐欺」のトラブル事例と防ぐための方法、詐欺に遭った時の対処法についてご紹介しました。

高齢者を狙った悪質な終活詐欺も増えているのが現状です。

しかし、よくある手口や適切な情報、対策を知っておくことで詐欺被害を防ぐことも可能です。

家族や信頼できる人と相談しながら安心して終活に取り組みましょう。

生前整理や遺品整理、相続に関するご相談は、LINE公式アカウントからお気軽にご利用ください。

参考:消費者庁「平成30年版消費者白書 第1部 第1章 第4節 (4)高齢者が巻き込まれる詐欺的なトラブル」

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この記事を書いた人

終活図書館編集部/思い出コンサルタント®︎
関西を中心に生前・遺品整理事業サービスを提供する株式会社カラーリスタを中心に、終活や保険のプロがさまざまな情報を発信しています。
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