親の遺品整理は誰がやる?スムーズに進めるコツと相続放棄をした場合も解説

親が亡くなった後、遺品整理を誰が行うべきか、またその進め方について悩む方は多いでしょう。

遺品整理は相続人が行うのが一般的です。

相続人以外が遺品整理を勝手に進めると、家族間のトラブルに発展する可能性もあるため注意が必要です。

本記事では、遺品整理をスムーズに進めるためのポイントや、相続放棄をした場合の対応について詳しく解説します。

目次

遺品整理は相続人が行うのが一般的

遺品整理は、相続人が行うことが一般的です。

これは、故人の遺品が相続財産に含まれるためです。

また、相続人には主に次の2種類があります。

  • 法定相続人
  • 遺言書による指定相続人

相続人が遺品整理を行うことで、適切に財産を管理し、相続の手続きを進めることができます。

法定相続人とは?

法定相続人とは、民法で定められた故人の財産を相続できる人のことです。

相続人の範囲は民法で次の通りに定められています。

  • 配偶者:常に相続人になる
  • 第1順位:故人の子供(死亡している場合は孫)
  • 第2順位:故人の両親や祖父母
  • 第3順位:故人の兄弟姉妹(死亡しているときはその子供)

配偶者は常に相続人になり、配偶者以外の人は上記の順位で配偶者と一緒に相続人になります。

参考:No.4132 国税庁(相続人の範囲と法定相続分)

遺言書による指定相続人とは?

指定相続人とは、遺言書によって指定した相続人のことです。

法定相続人以外であっても相続人として指定ができます。

例えば、法律上の婚姻関係のない内縁の妻がいる場合、民法で定められた法定相続人には該当しないため、故人の財産を相続できません。

しかし、遺言書に内縁の妻に財産を相続させる旨の記載があれば、指定相続人になります。

相続人以外が勝手に進めるのはNG

故人の遺品の所有権は、相続人に引き継がれます。

相続人以外が勝手に遺品を処分したり、持ち出したりすることはNGです。

必ず相続人の同意を得た上で行いましょう。

相続人が複数人いる場合は、全員から同意を得る必要があります。

相続放棄をしたときの対応

相続放棄とは、相続人が故人の権利の承継を拒否する意思表示のことです。

相続放棄をした場合、民法では下記のように記載されています。

(相続の放棄の効力)相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。民法 第九百三十九条

相続放棄をした場合、故人の財産に関する権利も放棄することになるため、遺品整理の義務は生じません

相続人全員が相続放棄をした場合

相続人全員が相続放棄をした場合、引き継がれなかった財産を国に納められます。

相続人が不在になった場合は、家庭裁判所の申し立てにより相続財産管理人が選出されます。

相続財産管理人が故人の遺品整理などを行います。

相続放棄をしても財産の管理義務は生じる場合がある

相続放棄をした場合であっても一部のパターンでは財産の管理義務が生じる場合があります。

(相続の放棄をした者による管理) 第九百四十条 相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第九百五十二条第一項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。

民法(第九百四十条)

例えば、亡くなった故人の所有する建物に居住していた場合などは、相続財産に属する財産を所有していたとみなされるため、相続財産管理人に引き渡すまでの間は、自身が所有する財産と同様に管理を行う必要があるのです。

賃貸物件に入居していた場合は要注意

故人が賃貸物件に入居していた場合は、相続人及び連帯保証人に遺品整理の義務が生じる場合があります。

また、相続人=連帯保証人である場合には、相続放棄をしても原状回復に応じなければならない場合もあるため、賃貸借契約書の内容を確認しましょう。

遺品整理の費用は誰が負担する?

遺品整理にかかる費用の負担は、基本的に相続財産を引き継いだ相続人が行います。

相続人が複数人いる場合は、相続人間で費用の分担などを話し合いを行い進めるのが一般的です。

しかし、相続財産がない場合や、相続人が相続放棄をした場合は、残された遺族が負担することになる場合があります。

また、賃貸物件の場合、契約内容によっては連帯保証人が費用を負担するケースもあります。

家族で遺品整理をスムーズに進める3つのコツ

遺品整理をスムーズに進めるためには、家族全員が協力し、効率的に進めることが大切です。

以下の3つのコツをご紹介します。

①役割分担を決める

遺品整理は多岐にわたる作業が含まれます。

例えば、重要書類の整理、貴重品の確認、不要品の処分などです。

家族間で役割分担を決める際には、各自の得意分野やスケジュールを考慮して、最適な役割を割り振ることが重要です。

例えば、書類整理や貴重品の探索を行う人、力仕事が得意な人は大型家具の処分を担当するなど、適材適所で役割を分けると効率的です。

また、役割を明確にすることで、作業中の混乱や重複を防ぎ、スムーズな進行が可能になります。

②スケジュールを立てる

賃貸物件の場合は退去日などが決まっている場合も多いでしょう。

「いつまでに終えるか」から逆算してスケジュールを立てるとスムーズに進められます。

まずは、作業に取り掛かれる時間をどれだけ捻出できるか、などを確認しながら、作業を段階的に進める計画を立てます。

法事や四十九日など区切りのタイミングに合わせてスケジュールを立てると自然な流れで作業を進められます。

急がず、余裕を持ったスケジュール設定がポイントです。

③プロに任せることも検討する

遺品整理が物理的・精神的に負担が大きい場合や、仕事などで時間が取れない場合は、早い段階で遺品整理の専門業者に依頼することも方法の一つです。

プロの業者は効率的に作業を進めるだけでなく、遺品を適切に扱い、リサイクルや買取なども行ってくれます。

また、遺品の中に重要な書類や貴重品が混ざっている場合も、専門知識を持つスタッフが適切に対応してくれるため、安心して任せることができます。

業者に依頼する際は、信頼できる業者を選ぶために複数の見積もりを取り、サービス内容を比較することが大切です。

親の遺品整理をスムーズに進めるために

今回は、遺品整理をスムーズに進めるためのポイントや、相続放棄をした場合の対応について詳しく解説しました。

遺品整理は相続人が行うのが一般的ですが、相続放棄をした場合や賃貸物件などの場合などは対応が異なります。

親の遺品整理をスムーズに進めるためには、家族全員で協力し、計画的に進めることが大切です。

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この記事を書いた人

終活図書館編集部/思い出コンサルタント®︎
関西を中心に生前・遺品整理事業サービスを提供する株式会社カラーリスタを中心に、終活や保険のプロがさまざまな情報を発信しています。
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