転倒予防の基本は片付けから|高齢の親のための安全な自宅環境づくり

転倒予防

高齢者の転倒は深刻な問題で、高齢者の転倒は深刻な問題であり、特に自宅での転倒が多く発生しています。

消費者庁のデータによれば、医療機関ネットワーク事業を通じて、令和3年3月末までの6年間に発生した65歳以上の高齢者による住宅での転倒事故の情報は299件でした。

65歳以上の高齢者の転倒事故の総数が606件であり、半数以上が自宅内で発生しています。

また、介護が必要になった主な原因として「骨折・転倒」が上位に位置しており、自宅内での安全対策が求められます。

本記事では、高齢者の転倒予防において重要な「片付け」のポイントと、自宅環境を安全にするための具体的な方法を解説します。

目次

転倒リスクを高める要因

消費者庁と国民生活センターのデータによると、65歳以上の高齢者の転倒事故の発生場所のうち、全体の半数が「住宅」で発生したものでした。

以下に、自宅内での転倒を高める要因を見ていきましょう。

物が散らかった環境

高齢者の転倒リスクを高める要因の一つが、家の中に物が散らかっていることです。

散乱した家具や物は移動の妨げとなり、足を引っ掛けて転倒する原因になります。

特に高齢者は足腰が弱っているため、些細な障害物でも転倒につながることがあります。

不適切な家具配置

家具が不適切に配置されていると、動線が確保されず、移動時にバランスを崩しやすくなります。

通路に物が置かれている、または家具が近接しすぎていると、転倒の危険性が増します。

床の滑りやすさ

滑りやすい床材やマットも転倒の原因です。

特に、フローリングの上に滑りやすいラグを敷いている場合は注意が必要です。

高齢者が歩く時に、足を滑らせて転倒するリスクがあります。

高齢者の安全を守る自宅片付けのポイント

高齢者が自宅で安全に過ごすためには、片付けが重要なポイントとなります。

①物の整理

まず、家の中の物を整理することから始めましょう。

不要な物は処分し、頻繁に使う物は取り出しやすい場所に配置します。

特に廊下や階段、出入口周辺は物を置かずに広々としたスペースを確保することが重要です。

②家具の配置改善

家具の配置を見直し、動線を確保します。

移動しやすいように家具の間隔を広く取り、手すりやつかまりやすい場所を設置することで、転倒のリスクを減らすことができます。

また、家具は固定して動かないようにすることも重要です。

キャスターなどがついている家具は、必ずロックがかかっていることを確認しましょう

③床面の安全対策

滑りにくいマットや床材を使用し、床面の安全対策を行います。

カーペットやマットは固定し、段差がある場合は解消するか、注意喚起のためのマークをつけるなどの対策を施しましょう。

フローリングの上にカーペットを敷く場合は、裏面にずれ防止のテープなどを使用すると床面にしっかりと張り付きます。

効果的に片付けを進めるコツ

物の配置を決める

家の中を生活エリアごとに分割し、物の配置を決めます。

どこに何を置くべきかが明確になり、片付けがスムーズに進みます。

例えば、あまり使用しないものは、押入れや使用しない部屋にまとめておくなど、配置ごとに分類しましょう。

収納の工夫

収納スペースを効率的に活用し、物を整理・整頓しましょう。

引き出しや棚の中を整えることで、必要な物がすぐに取り出せるようになり、無駄な動きを減らせます。

また、透明で中身が見える収納グッズを使用することで、視覚的にも分かりやすくなります。

照明の改善

家の中を明るく保つことで視界を確保し、転倒のリスクを低減します。

特に夜間の移動時には、足元を明るく照らす人感センサー付きの照明を設置すると良いでしょう。

高齢の親を守る住環境

手すりの設置

階段や廊下には手すりを設置し、移動時の支えになるようにします。

手すりは安全な移動をサポートし、転倒のリスクを大幅に減らします。

手すり設置場所
  • 階段
  • 廊下
  • トイレ
  • 浴室

ご家庭に介護保険の利用者がいる場合は、介護保険を利用して手すりの設置が可能です。

詳細は担当のケアマネージャーに相談してください。

屋内の段差の解消

敷居や戸の下枠に生じる小さな段差もつまづきの原因になります。

既製品のミニスロープを段差に合わせて設置することで、つまづくリスクを軽減できます。

ミニスロープの設置は賃貸住宅でも対応できるので、工事が不要で設置が可能です。

ただし、杖や歩行器を使用している場合は、バランスを崩す原因になることもあるため注意しましょう。

配線やコードの整理

床を這うコード類などもつまづきの原因になります。

コードが必要な家電製品などは、コンセントに近い場所に配置するなど、歩行の邪魔にならない位置に設置しましょう。

定期的な見直しが必要

高齢者にとって安全な住環境を維持するためには、定期的な見直しが必要です。

転倒のリスクを軽減させるためにも、定期的な見直しを行い、改善していきましょう。

また、家族や専門家と協力し、適切な転倒予防の対策に取り組む必要があります。

例えば、高齢者に詳しいケアマネージャーや看護師、介護士など、専門家のアドバイスを受けることで、より安全な住環境を整えることができます。

また、株式会社カラーリスタでは元看護師のスタッフも在籍しているため、安全対策の観点からサポートが可能です。

高齢の親の安全を守るために

今回は、高齢者の転倒予防において重要な「片付け」のポイントと、自宅環境を安全にするための具体的な方法を解説しました。

高齢者の転倒の発生場所は自宅内が多く、安全な住環境を整える必要があります。

家の中を整理整頓し、安全な環境を整えることで、高齢者が安心して暮らせる住まいを作りましょう。

定期的な改善と見直しを心がけ、家族や専門家の協力を得ながら、継続的な転倒予防に取り組んでください。

片付けを習慣化することで、高齢の親が安心して過ごせる環境になるでしょう。

参考文献:
消費者庁
内閣府

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

終活図書館編集部/思い出コンサルタント®︎
関西を中心に生前・遺品整理事業サービスを提供する株式会社カラーリスタを中心に、終活や保険のプロがさまざまな情報を発信しています。
公式LINEで無料相談受付中!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次