親や大切な人が亡くなった後の遺品整理は、感情的にも体力的にも非常に大変な作業です。
遺品の中にはまだ使えるものや状態が良いものなどもあり、「捨てるのはもったいない」と感じる方も少なくありません。
廃棄する以外に「寄付・寄贈する」という方法があります。
寄付することで、遺品が誰かの役に立ち、廃棄物を減らすことにもつながります。
本記事では、遺品を捨てずに寄付する方法や手順、注意事項について詳しく解説します。
遺品を寄付する方法
遺品を寄付する方法として、主に下記の2つの方法があります。
- 寄付を募っている施設に直接連絡して寄付を行う
- 遺品整理業者を介して施設に寄付をお願いする
寄付の受付状況は施設によって異なるため、事前に電話などで確認してください。
遺品整理業者の中には、特定の寄付先とのつながりを持っている場合もあります。
寄付先の確認から運搬なども任せられるので、手間もかかりません。
遺品を寄付するまでの流れ
ここでは、ご自身で遺品を寄付するときの流れについて解説します。
①寄付する物品の選別
まずは遺品を選別し、寄付できる物とできない物を分けます。
寄付できる物は、“まだ使える状態のもの”に限られます。
また、衣類や家具、家電製品、書籍など、受け入れ可能な物品を確認します。
介護用のオムツなどの衛生品に関しては、基本的に未開封品しか受け取ってもらえない場合もあります。
②寄付先の選定
寄付を受け付けている団体や施設を調べましょう。
お住まいのエリアの社会福祉協議会や地域の福祉センター、NPO団体などが挙げられます。
また、学校や図書館、リサイクルセンターなども寄付を受け付けているところも多いです。
特定の施設や団体に寄付を希望する場合は、事前に連絡を入れて寄付の相談をしましょう。
③寄付を行う
寄付先が決まったら、各寄付先の指示に従って寄付品を引き渡す手配をします。
持ち込みの場合は日程調整を行い、郵送の場合は梱包や集荷依頼などの手配をします。
寄付先に郵送する場合は、元払いが一般的です。
着払いでの郵送は引き受けてもらえない場合もあるため注意しましょう。
遺品の寄付の事例
ここでは、終活図書館を運営する株式会社カラーリスタの寄付事例をご紹介します。
介護用のオムツや衛生品
未開封の介護用のおむつや使い捨ての尿漏れパッド、アルコールハンドジェルなどの衛生品は、社会福祉協議会に寄付しました。
社会福祉協議会では、寄付を必要とする施設を調べて、寄付先に引き渡してもらうことができます。
法人、個人問わず寄付の受付をしているので、特定の介護施設への寄付の希望などがなければ、相談されることをおすすめします。
書道道具
未使用の筆や硯、半紙など、まだ使える状態のものは、市内の公立高校に寄付しました。
寄付した品は書道部の生徒が使用することになりました。
公立の教育機関でも寄付を受けているところもあるので、一度聞いてみられることをおすすめします。
ポケットファイルなどの文房具
長年保管されていた未使用のポケットファイルや文房具は、市内にある公立の専門学校に寄付しました。
生徒や事務で使用されるとのことで、寄付を受けてもらえました。
寄付の受付状況などは施設や教育機関によって異なるので、事前に確認してください。
遺品を寄付する時の注意事項
物品の状態
寄付する物品の状態は重要です。
破損や汚れがないことを確認し、動作確認が必要な家電製品などは事前にチェックします。
また、寄付先によっては、衛生品などの基本的に未開封のものしか受け付けていない場合もあります。
寄付先の受け入れ条件
寄付先の受け入れ条件や要件を事前に確認しましょう。
特に、受け入れ品目や受け取り方法に制限がある場合があるため、事前に確認しておくことが重要です。
持ち込む場合は事前に連絡を入れる
寄付先に持ち込む場合は、必ず事前に連絡を入れましょう。
突然持ち込んでも引き受けてもらえない場合もあります。
持ち込む場合は日程の調整を行い、配送する場合は到着の目安などを伝えておくと良いでしょう。
遺品を寄付して役立てるために
遺品の中には、まだ使えるものなどもたくさん出てきます。
遺品を捨てるのではなく、誰かの役に立てることは、残された家族にとっても大きな意義があります。
効率的に遺品を寄付するためには、物品の選別、寄付先の選定、寄付の手続きをしっかりと行うことが重要です。
また、遺品整理業者を介することで、適切な場所に寄付をしてもらうこともできるので、気になる方は相談してみましょう。
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