「生前整理に取り組むメリットを知りたい」
「親や家族の生前整理を効率的に進めたい」
この記事では、実際に家族を巻き込み祖母の生前整理に取り組んだ終活図書館編集部メンバーの「前谷」が、生前整理に取り組みたいと考えている方に向けて、生前整理で実感した3つのメリットと実際に取り組んで得られた効率的な進め方をご紹介します。
私も祖母の生前整理に取り組むまでは、「生前整理が必要なのは分かるけど、いまいちメリットが分からない」「何から進めればいいの?」と感じていました。
だからこそ、生前整理に取り組むメリットや効果を知りたい方に向けて、実体験を交えて得られた学びをご紹介します。
この記事を読めば、生前整理に取り組むメリットはもちろん、効率的な進め方を知ることができますよ!
生前整理のきっかけと目的
祖母の生前整理に本格的に取り組んだきっかけは、祖母の病気でした。
残された時間に限りがあることを本人も家族も知っていたので、「後悔のない生活を送ってほしい」との思いがありました。
また、生前整理を通して、祖母の家族への負担を減らしたいとの強い願いもあったのです。
きっかけは祖母の病気と闘病生活
祖母が2020年に膵臓癌疑いと診断されたのは2020年頃でした。
手術適用範囲内でしたが、高齢の祖母の体力なども考慮して、保存的療法で治療を続けていました。
しかし、病状は進行し、入院の頻度も増え、おまけに認知症の症状も見られ、祖母や家族が思うような生活が送れなくなっていました。
病状の悪化により救急車で搬送されることもあり、リミットが迫っていることは確実でした。
実際に生前整理で取り組んだこと
祖母の生前整理において、私は以下を中心に取り組みました。
まず、生活環境を整えるために、不要なものと必要なものの整理を実施。
写真を整理する作業では、思い出話や交友関係などを祖母と共有することを意識し、祖母の人生を振り返る時間を作りました。
次に、認知症が進行し、銀行預金の引き落としが一人では難しくなったため、お金の管理について家族に任せてもらうよう説得。
同時に、介護サービスなどを適切に導入しながら、祖母の生活環境を整えました。
自宅で過ごしたいと希望していた祖母が安心して生活を送るためには不可欠でした。
生前整理で実感した3つのメリット
祖母が亡くなった後に実感した3つのメリットの中で、最も大きなものは家族が後悔なく祖母を送り出せたことです。
生前に祖母の要望を丁寧に聞きながら、生前整理を進めたおかげで、家族や親族が揉めることなく、協力しながら整理を進めることができました。
家族の協力と理解が、祖母が穏やかな最期を迎えるために重要だったと思います。
メリット①未来に対する安心感が得られた
葬儀の希望や遺品の取り扱い、残った遺産の処分、送り出しの際の服装など、これらを具体的に祖母に聞くことで、未来に対する安心感が得られました。
祖母もこれらの事柄を事前に決めることで、最期まで自らの人生と向き合い、「後悔ない」と言ってくれていました。
メリット②手続きがスムーズに進められた
祖母が亡くなった後、事前に様々な準備をしておいたことで手続きがスムーズに進みました。
生前には葬儀会社やお寺に相談し、その結果、葬儀の手配も円滑に進められたことが良かったです。
加えて、手続きに必要な身分証明書や通帳などは相続人の手元にあり、これがあることで役所での手続きもトラブルなく終了しました。
さらに、祖母の遺産については事前に親族で話し合い、祖母の意思に基づいた遺産分割協議書を作成。
これにより、揉めずに全員が同意し、手続きを円滑に進めることができました。
メリット③家族も後悔なく送り出せた
事務的な手続きが順調に進む中で、何よりも価値を感じたことは、家族や親族が後悔なく祖母を送り出すことができたことでした。
祖母と一緒に進めた生前整理のおかげで、家族は最後まで協力し、祖母が望む形で進められたと思います。
別れは心に痛みを残しますが、生前整理を通して過ごした時間は一生の思い出となり、家族にとっては最期の祖母への孝行で充実した日々でした。
生前整理の効率的な進め方
私の場合は、祖母の生前整理を進める上で次の3つを意識しながら取り組んでいました。
- 優先順位を決める
- 本人と一緒に進める
- 家族を巻き込む
ここでは、私が実際に行っていた効率的な進め方についてご紹介します。
①優先順位を決める
生前整理に取り組むべき内容や優先順位には個人差があります。
祖母の場合は、持病や認知症などがあり、闘病生活を送っており残された時間が短いと予測できていました。
そのため、下記の内容で進めていきました。
- お金の管理を任せてもらう
- 身分証明証などの貴重品の保管場所を共有してもらう
- 民間の保険や積立がないか一緒に確認する
入院の手続きや葬儀で必要になるのは「お金」です。
祖母には毎月必要な生活費を手渡する条件で、通帳とキャッシュカードを預けてもらうように伝えました。
お金の管理については、母が預かっていましたが、全て家計簿に記録を残していたので、祖母も安心して預けてくれていました。
また、介護保険の手続きなどで身分証などが必要になるので、1つのファイルにまとめて保管。
祖母の自宅に保管場所を作り、いつでも取り出せるように管理していました。
また、民間の保険への加入の有無や積立などがないかを、書類を整理しながら一緒に確認していきました。
②本人と一緒に進める
銀行の暗証番号や貴重品、大切にしているもの、交友関係などは、本人から聞かなければ分からない情報が多いです。
身の回りの整理などは、祖母本人の意思を尊重しながら、無理のないペースで少しずつ進めていきました。
また、遺言書などは作成していなかったので、祖母の発言などはメモで残したり、一緒に取り組む様子を写真や動画に残して家族に共有していました。
③家族を巻き込む
生前整理は本人だけでなく、残された家族の負担を軽減する効果もあります。
祖母本人の想いや意思を紡ぐためには、家族で取り組む必要があるでしょう。
生前整理を進める前は「エンディングノートを作っていれば安心」と考えていましたが、家族とのコミュニケーションの重要性を感じました。
生前整理は本人や家族の負担を軽減する必要な取り組みですが、家族と一緒に取り組むことが、「後悔のない最期」を迎えるために必要だと思います。
生前整理に取り組むメリットは大きい
今回は、生前整理に取り組むメリットや効果を知りたい方に向けて、今後に役立つ生前整理のメリット3つと効率的な進め方をご紹介しました。
祖母の生前整理を通して、家族みんなが後悔なく祖母を送り出せことが何よりも良かったです。
この記事の内容が、これから親の生前整理を始めたい方や既に取り組んでいる方の参考になれば幸いです。
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