親が亡くなった時の手続きは?優先順位別に解説!

親が亡くなった時、何をすれば良いか分からない」と不安になる方もいるでしょう。

大切な人が亡くなった時、悲しみの中でもさまざまな手続きを速やかに進める必要があります。

手続きの中でも、市役所への届出や年金の停止、公共料金や保険の解約手続きなど、期日が決まっているものもあるため、事前に知っておくと慌てず対処できますよ!

本記事では、親が亡くなった後の手続きについて、やるべき項目を優先順位別に解説します。

目次

親が亡くなった後の手続きの一般的な流れ

親が亡くなった際の手続きは一般的に、以下の期間で区切って進めていきます。

  • 亡くなってから7日以内にやること
  • 亡くなってから14日以内にやること
  • 亡くなってから3ヶ月以内にやること

それぞれのタイミングでやるべき手続きを確認し、優先度の高い手続きから進めましょう。

これらを目安に、状況に合わせて効率的に進められるよう参考にしてください。

死亡日当日〜7日以内にやるべき手続き

最も早急に対応するべき手続きは、亡くなった当日から7日以内に行うものです。

この期間には、死亡届の提出や葬儀の準備など、家族や関係者への連絡が必要なものが含まれます。

  • 死亡診断書(コピーの取得)・死体検案書の受け取り
  • 遺体の搬送と退院の手続き
  • 死亡届の提出と火葬許可証の受け取り
  • 近親者への訃報の連絡
  • 葬儀会社の選定、連絡、打ち合わせ
  • 火葬証明の取得

死亡診断書・死体検案書の受け取り

病院や医師から発行された「死亡診断書」や「死体検案書」は、各種手続きで必要になるため、数枚のコピーを準備しておきましょう。

死亡診断書と死亡検案書の違いは、下記のとおりです。

  • 療養のため病院に受診しており、病気に関連して亡くなった場合は「死亡診断書」が交付される
  • 孤独死や事故死、突然死などの場合は、「死体検案書」が交付される

参考:厚生労働省「死亡診断書(死体検案書)について」

遺体の搬送と退院の手続き

病院から自宅や葬儀会場への搬送手続きを行い、必要に応じて退院手続きも行います。

病院で亡くなった場合は、数時間程度しか安置してもらえないため、早急に搬送先を決める必要があります。

葬儀会社を利用する場合は、葬儀会社に迎えの手配を依頼し、安置場に搬送してもらいます。

搬送と同時に退院手続きなども行うため、必要な費用なども用意しておきましょう。

事前に病院側に退院時にかかる費用の目安などを聞いておくと安心です。

死亡届の提出と火葬許可証の受け取り

死亡届は亡くなった日から7日以内に市区町村役場へ提出します。

火葬許可証は火葬に必須なため、必ず受け取りましょう。

これらの手続きは、葬儀会社が代行して行ってくれる場合が多いです。

ご自身で死亡届を提出する場合は、亡くなった方の死亡地・本籍地、または届出人の所在地の市役所、区役所または町役場に届け出てください。

火葬証明書もご自身で取得する場合は、死亡届の提出の際に合わせて発行の申請をしましょう。

近親者への訃報の連絡

親族や親しい友人に訃報を伝え、葬儀の日程なども案内します。

一般的に連絡の最初には、故人の氏名・亡くなった日時・葬儀の日程と場所などを伝えます。

事前に連絡者リストを作成しておくと、スムーズに対応できます。

葬儀会社の選定、連絡、打ち合わせ

葬儀会社を選び、葬儀の規模や形式について打ち合わせを行います。

また、葬儀会社を選ぶ際には、故人の葬儀に関する希望があったかどうかも重要です。

遺言やエンディングノートに書いてある場合も考えられます。

故人の希望を叶えられるかどうか、も基準に会社選びを行いましょう。

火葬証明の取得

火葬後に「火葬証明書」を取得します。

これは火葬したことを証明するための書類のことであり、納骨の際に必要になるケースがあります。

火葬後に火葬場から受け取った書類は大切に保管しておきましょう。

亡くなってから14日以内にやるべき手続き

死亡後14日以内には、役所での手続きが増えます。

この時期には役所や年金事務所に行き、必要な届け出や支給申請などを行いましょう。

14日以内の期限はありますが、過ぎた場合の罰則などはありません。

しかし、手続きを先延ばしにすると後々の手続きが複雑になる可能性もあるため、速やかに対応することをおすすめします。

亡くなった人の居住地の市役所で行う手続き

  • 住民票の世帯主の変更
  • 住民票の除籍の取得
  • 健康保険の資格喪失届提出と保険証の返還
  • 葬祭費支給申請用紙の取得
  • 高額療養費支給申請用紙の取得
  • 介護保険資格喪失届と介護保険証の返還
  • 送付先変更届の提出

住民票の世帯主の変更

故人が世帯主であった場合、残った家族が新しい世帯主を届け出ます。

世帯主が変わることで、公共料金などの各種契約の手続きが必要となります。

住民票の除籍の取得

市役所で住民票の除籍を行い、証明書を取得します。

除籍された住民票は、遺産相続や名義変更手続きで必要になることがあるため、数枚取得して用意しておくと良いでしょう。

健康保険の資格喪失届提出と保険証の返還

市役所で健康保険の資格喪失届を提出し、故人の保険証を返却します。

葬祭費支給申請用紙の取得

健康保険に加入していた場合、葬祭費の支給申請が可能です。申請用紙を市役所で入手し、申請手続きを進めましょう。

高額療養費支給申請用紙の取得

医療費が高額だった場合、申請することで一部の療養費が支給される可能性があります。

市役所から申請用紙をもらい、申請の準備を行います。

介護保険資格喪失届と介護保険証の返還

介護保険を喪失するための手続きを行います。

また、故人が介護保険を利用していた場合、介護保険証を市役所に返還します。

送付先変更届の提出

故人の郵送物が届かないように、市役所で送付先変更届を提出します。

役所での手続きに関しては、市区町村のホームページなどをご覧ください。

市区町村によっては、死後の手続きに関するガイドブックを配布しているところもあります。

参考:おくやみガイドブック伊丹市

亡くなった人の居住地の年金事務所で行う手続き

  • 年金受給者死亡届の提出
  • 未支給年金の請求
  • 遺族年金の請求

年金受給者死亡届の提出

年金を受給していた場合、死亡後の受給停止のために年金事務所に死亡届を提出します。

未支給年金の請求

未支給となっている分の年金を請求するため、申請手続きを進めます。

遺族年金の請求

受け取り資格がある場合は遺族年金の申請も行います。

年金に関する詳細は下記をご参考ください

参考:日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」

亡くなってから14日以内にやっておきたい手続き

下記の手続きは必ずしも14日以内でなくても問題ありませんが、早めに進めておくとスムーズです。

  • 公共料金の解約(名義変更)
  • 電話、インターネット、テレビなどの解約(名義変更)
  • 生命保険の手続き
  • 携帯電話、クレジットカード、新聞などの手続き

公共料金の解約(名義変更)

故人名義の電気・ガス・水道料金などの名義を変更します。

手続きがないと、故人の口座凍結に伴い引き落としがストップしてしまうことがあるため注意が必要です。

ただし、遺品整理を控えている場合は、整理が完了してから解約をすることをおすすめします。

片付けを行う前に電気・水道を解約してしまうと、整理の際にトイレなどが利用できません。

また、冷蔵庫の中身が残ったままブレーカーを落とすと、中身が腐り、臭いの原因にもなるため、生物などは処分してからブレーカーを落としましょう。

電話、インターネット、テレビなどの解約(名義変更)

電話やインターネット、ケーブルテレビなどの契約を解約または名義変更します。

故人名義の契約が多くある場合は、リストアップして順に手続きを進めると効率的です。

生命保険の手続き

生命保険に加入していた場合、保険金の受け取り申請を行います。

死亡保険金を受け取るには、死亡診断書や契約内容が必要になるため、保険証書の確認を行いましょう。

携帯電話、クレジットカード、新聞などの手続き

これらの契約も解約または名義変更が必要です。

クレジットカードの場合は、不正利用を防ぐためにも早めに解約しておくことが推奨されます。

死亡後3ヶ月以内にやるべき手続き

次に、3ヶ月以内に行うべき手続きを確認しましょう。

ここでは、相続に関する手続きを進めていきます。

相続の放棄または限定承認の手続き

遺言書がある場合は、検認や開封などの手続きを行います。

相続を放棄する場合は、相続を知った3ヶ月以内に手続きを進めることが必要です。

また、限定承認とは、プラスの財産の範囲内で債務を引き受けるものであり、相続人全員で申請する必要があります。

死亡後4ヶ月以内にやるべき手続き

4ヶ月以内に行うべき主な手続きは、税金関係の申告です。

所得税の準確定申告

故人の亡くなった年の所得に対する確定申告を行います。

死亡から4ヶ月以内が期限です。

死亡後10ヶ月以内にやるべき手続き

相続税に関する申告は、死亡後10ヶ月以内が期限です。

相続税の申告と納税

相続税が発生する場合、10ヶ月以内に申告と納税を行います。

申告のためには、全財産を洗い出し評価する必要がありますので、専門家の助けを借りるのも良いでしょう。

亡くなった後1年以内にやるべき手続き

1年以内には、家屋の管理や名義変更などを進め、財産分割を終えることが理想です。

財産分割協議書の作成

相続人同士で財産分割の合意を得るため、財産分割協議書を作成します。

揉めないように、専門家の立会いのもとで作成すると良いでしょう。

元気なうちに”もしも”に備えておこう

親が亡くなった後の手続きを円滑に進めるためには、元気なうちからの備えが重要です。

終活ノートやエンディングノートを活用し、家族や親しい人への連絡先、保険や資産の情報、葬儀や医療の希望をまとめておきましょう。

定期的に見直し家族と共有することで、安心してもしもの時に備えることができます。

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この記事を書いた人

終活図書館編集部/思い出コンサルタント®︎
関西を中心に生前・遺品整理事業サービスを提供する株式会社カラーリスタを中心に、終活や保険のプロがさまざまな情報を発信しています。
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