特殊清掃とは、事故や孤独死、自殺、火災現場など、一般的な清掃では対応できない特別な状況で必要とされる清掃作業を指します。
これらの状況では、通常の清掃では落としきれない汚れや臭いが生じるため、専用の薬剤や機材を使用する必要があります。
本記事では、特殊清掃が必要なケースや作業内容について詳しく解説します。
特殊清掃が必要なケース
特殊清掃が必要なケースは、主に下記の通りです。
- 事故現場
- 孤独死
- 自殺や犯罪現場
- 火災現場
- ゴミ屋敷
- ペット屋敷
それぞれのケースについて、具体的に見ていきましょう。
①事件・事故現場
事件・事故現場では、体液や血液が壁などに飛び散っている場合もあり、感染症のリスクも伴います。
体液や血液は通常の清掃では落としきれないため、専用の薬剤などを使用して除去します。
感染症のリスクを防ぐため、消毒作業を施し、防護服を着用して作業を行います。
②孤独死
孤独死は、高齢者の増加に伴い社会問題となっています。
さらに、発見が遅れることで遺体が腐敗し、強い悪臭が発生します。
遺体から滲み出た体液や血液は細菌が含まれ、感染症のリスクが伴います。
血液や体液が床下まで染み込んでいる場合は、フローリングを剥がして清掃を行います。
③自殺現場
自殺や犯罪現場では、心的負担が大きく、残された家族にとっても辛い状況です。
首吊りなど血を流さない方法で亡くなった場合であっても遺体の腐敗によって室内が汚染されます。
④火災現場
火災後の現場では、すすや煙による被害が残り、健康被害のリスクがあります。
火災によって染みついた焼き焦げた臭いは、表面の清掃だけでは取り除くことができません。
専用の機材や薬剤を用いて、煙の臭いを取り除く消臭処理を行います。
⑤ゴミ屋敷
ゴミ屋敷は、住人が大量のゴミを溜め込んでしまう状態で、衛生問題や悪臭、害虫の発生などのリスクがあります。
長年放置されてきたゴミの中には腐敗して悪臭を放つものもあり、通常の清掃では取り除くことができません。
また、ウジやハエ、ゴキブリなどの害虫が大量発生している場合もあるため、清掃と同時に害虫駆除も行います。
⑥ペット屋敷
ペット屋敷では、多数のペットを飼育することで、糞尿による悪臭や感染症のリスクがあります。
部屋に染みついたペット臭を除去するためには、排泄物を適切に処理し、臭気を除去する必要があります。
特殊清掃が必要になったら?
孤独死や自殺・事故現場など特殊清掃が必要になるケースに直面することもあるでしょう。
特殊清掃業者に依頼すれば、清掃はお願いできますが、部屋の中の不要品の処分や遺品整理などが必要になるケースも少なくありません。
特殊清掃が必要になった場合、下記のサービスも併せて依頼することを検討しましょう。
- 遺品整理
- 不用品処分
- ハウスクリーニング
状況によっては特殊清掃を行う前に遺品整理や不要品の処分に取り掛かる必要があります。
自殺や孤独死の場合は、遺品がそのまま残っている場合も多いです。
遺品整理業者に依頼することで、貴重品の探索や必要なもの不要なものの仕分けして片付けることができます。
また、遺品以外にゴミなどの不要なものも残されている場合が多いです。
自分たちで処分もできますが、時間と手間もかかるため、遺品整理業者に処分も依頼することをおすすめします。
さらに、故人が賃貸物件で亡くなった場合は、原状回復が求められるため、必要に応じてリフォームやハウスクリーニングなども依頼しましょう。
特殊清掃や遺品整理の費用は誰が負担する?
特殊清掃や遺品整理などの費用の負担は、持ち家か賃貸物件などの状況によっても異なります。
持ち家の場合
所有する物件でなくなった場合は、所有権を相続した法定相続人が費用を負担することになります。
ただし、相続放棄をした場合は、費用負担の義務はありません。
賃貸物件の場合
賃貸物件の場合は、基本的には連帯相続人が費用を負担しなければなりません。
連帯保証人がいない場合は法定相続人に支払い義務が移ります。
法定相続人が相続放棄をした場合は、支払い義務は生じませんが、法定相続人が連帯保証人になっていた場合は支払い義務が生じるため注意が必要です。
賃貸物件の場合は、賃貸借契約書の契約内容によって費用負担が異なるため契約書を確認しましょう。
特殊清掃が必要になったらプロに相談しよう
今回は、特殊清掃が必要なケースや作業内容について詳しく解説しました。
特殊清掃は、孤独死や事故現場、ゴミ屋敷など、通常の清掃では汚れや臭いが取り切れない場合に必要になります。
また、部屋の中で亡くなっている場合は、体液や血液を通じて感染のリスクもあるため、感染症対策も重要です。
特殊清掃が必要な場合は、速やかにプロに相談し、適切な対応を取りましょう。
コメント