終活年賀状のタイミングは?失礼にならない書き方のポイント

年賀状じまい

「来年から年賀状のやり取りをやめたい」「終活の一環として、年賀状じまいを考えている」と思う方が増えています。

年賀状じまいとは、長年続けてきた年賀状のやり取りを終了することを意味し、高齢化や人間関係の整理を目的とした終活の一部として実施されることが多いです。

しかし、突然年賀状を送らなくなるのは失礼に感じられることもあり、相手に配慮した形で年賀状をやめることが求められます。

本記事では、終活年賀状を送るベストなタイミングや、失礼にならない書き方について解説し、年賀状じまいをスムーズに進めるためのポイントを紹介します。

目次

終活年賀状とは?

終活年賀状とは、これまでの年賀状のやり取りを終了する旨を、年賀状や寒中見舞いで相手に伝えるものです。

これまでお世話になった人たちへ感謝の気持ちを伝えながら、今後は年賀状のやり取りを控えることを丁寧に伝えます。

終活年賀状を出す背景

年賀状じまいをする理由には、以下のようなものがあります。

高齢化による年賀状作成の負担

年賀状を作成する体力や手間が重荷になる高齢者が増えていることも背景にあります。

終活の一環

終活を機に人間関係を見直し、整理したいと考える人が増えており、その結果、年賀状じまいを行う人が増えています。

自分自身の人間関係を見直し、本当に大切な人を再確認できるきっかけにも繋がります。

負担の軽減

年末の忙しい時期に年賀状を作成する手間やコストを削減したいという実務的な理由です。

年齢とともに年賀状の作成が負担になり、年賀状じまいをしたいと考える方も少なくありません。

時代の変化

デジタル化の進展により、メールやSNSなど他のコミュニケーション手段を利用することが一般的になっています。

年賀状に比べて手軽にコミュニケーションが取れるため、年賀状の重要性が低下していることも理由の一つです。

また、紙の年賀状を減らすことは環境保護にも繋がり、環境への配慮も時代の変化と言えるでしょう。

年賀状の発行部数も減少傾向

Yahoo!ニュースによると、年賀状の発行部数はピーク時(2003年)の約44億枚から2021年には約18億枚に減少し、1人あたりの平均枚数も減少しています。

約20年間で発行部数は半減以下となっています。

また、1人あたりの平均年賀状枚数は、2003年で34.9枚であったのに対し、2023年には11.6枚まで減少しています。

年賀状の発行部数の減少の背景には、インターネットの普及による年賀ハガキの需要の減少などが考えられます。

参考:Yahoo!ニュース「2024年用の当初発行枚数は14億4000万枚…年賀葉書の発行枚数などの実情

終活年賀状を送るタイミング

年賀状じまいを決めた場合、相手にどのタイミングで伝えるかが重要です。

適切なタイミングを選ぶことで、相手に違和感なく意向を伝えることができます。

①年賀状に記載する

最も一般的で自然な方法は、年賀状で直接伝えることです。

年賀状を送る際に「今年で年賀状のやり取りを終了させていただきます」と一言添えることで、失礼なく伝えることができます。

年末年始に送る年賀状は、慣例としても最適なタイミングです。

②寒中見舞いに記載する

年賀状を出しそびれたり、年賀状で伝えるタイミングを逃した場合は、寒中見舞いで伝えることも可能です。

寒中見舞いは、1月中旬から2月初旬にかけて送る挨拶状であり、年賀状のやり取りをやめる旨を自然に伝えられます。

③メールや電話・SNSで伝える

普段からSNSやメールを使っている相手には、メールや電話で伝えることも有効です。

特に親しい関係の人には、事前に「年賀状をやめようと思う」ということを軽く相談する形で伝えるのも良いでしょう。

④会った時に伝える

会った時に直接伝える方法もあります。

相手の反応を見ながら丁寧に説明できるので、誠意が伝わりやすい点もメリットでしょう。

終活年賀状を書く際のポイント

終活年賀状を書く際に気をつけるべきポイントを押さえておくことで、相手に失礼のない形で伝えることができます。

①年賀状じまいの理由を添える

年賀状じまいを伝える際には、その理由を明確に伝えることが重要です。

理由がわかることで、相手も納得しやすくなります。

例:

  • 年賀状の挨拶からメールやSNSなどに変えた
  • 家族で年賀状を辞めると決めた
  • 高齢になり文字を書くのが難しくなってきた
  • 定年を機に節目として年賀状を辞めると決めた
  • 高齢になり身辺整理のために年賀状を辞めた

②全員に送っていることを記載する

年賀状じまいを伝える際に、特定の相手だけでなく全員に対して行っていることを明示することで、相手に誤解を与えず、失礼にならないようにします。

例:「この度、年賀状のやり取りを皆様に対して終了させていただくことにしました。」

③感謝の気持ちを伝える

年賀状じまいを伝える際には、これまでのやり取りに対する感謝の気持ちをしっかりと伝えることが大切です。

「長年のご縁に感謝します」などの一言を添えるだけで、相手に誠意が伝わります。

また、今後の付き合いについても触れることで、関係が途絶えるわけではないという安心感を与えます。

例:「今後はメールやSNSを通して近況報告やご挨拶をさせていただけましたら幸いです」

④今後の連絡手段や連絡先を記載する

年賀状じまいを伝える際には、今後の連絡手段や連絡先を明示しておくと、相手が連絡を取りやすくなります

メールアドレスやSNSのアカウントなどを記載することで、関係性を維持できるでしょう。

年賀状じまいの実際の手順

年賀状じまいを実行するためには、適切な文例を作成し、送付先リストを正確に作成・確認し、適切な時期に送付することが重要です。

これらの手順を踏むことで、相手に対して失礼にならないように配慮しつつ、スムーズに年賀状じまいを進めることができます。

①文章を作成する

年賀状じまいを伝える際には、相手に対する感謝の気持ちと今後の連絡手段を明示するための内容を作成します。

文章例は下記の通りです。

高齢を理由に年賀状じまいをする場合

旧年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、誠に勝手ながら、今年をもちまして年賀状のやり取りを終了させていただくことにいたしました。
高齢により、文章を書くことが次第に難しくなってまいりましたため、このような決断をさせていただきました。

これまでのご厚情に深く感謝申し上げますとともに、今後も変わらぬご厚誼をお願い申し上げます。
なお、今後はメールやSNSでご連絡いただければ幸いです。
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

家族で年賀状を辞めると決めた場合

旧年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、誠に勝手ながら、今年をもちまして年賀状のやり取りを終了させていただくことにいたしました。

家族で話し合い、今後は年賀状のやり取りを控えさせていただくことに決めました。

これまでのご厚情に深く感謝申し上げますとともに、今後も変わらぬご厚誼をお願い申し上げます。

なお、今後はメールやSNSでご連絡いただければ幸いです。

皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

定年を機に節目として年賀状を辞めると決めた場合

旧年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、私事で恐縮ですが、今年をもちまして定年を迎えることとなりました。

これを節目として、誠に勝手ながら、今年限りで年賀状のやり取りを終了させていただくことにいたしました。

これまでのご厚情に深く感謝申し上げますとともに、今後も変わらぬご厚誼をお願い申し上げます。

なお、今後はメールやSNSでご連絡いただければ幸いです。

皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

高齢になり身辺整理のために年賀状を辞めた場合

旧年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、誠に勝手ながら、今年をもちまして年賀状のやり取りを終了させていただくことにいたしました。

高齢になり、身辺整理の一環として年賀状を辞めることに決めました。

これまでのご厚情に深く感謝申し上げますとともに、今後も変わらぬご厚誼をお願い申し上げます。

なお、今後はメール(xxx@example.com)やSNSでご連絡いただければ幸いです。

皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

②送付先リストの作成と確認

年賀状じまいを送る人の送付先リストを作成し、送付先の情報を確認します。

送付先リストの作成手順

  • 現行リストの見直し: まず、現在の年賀状送付先リストを見直し、不必要な連絡先を削除します。
  • 新しい連絡先の追加: 今年新たに追加した連絡先をリストに含めます。
  • 正確性の確認: すべての連絡先の住所やメールアドレスが正確かどうか確認します。

③適切な時期に送付する

年賀状じまいの連絡は、適切な時期に送付することで、相手への配慮になります。

事前に送付する場合

年末に近づく11月から12月初旬: この時期に送付することで、年賀状の準備が始まる前に相手に伝えることができます。

年賀状を受け取った後に送付する場合

寒中見舞いを利用する: 年賀状を送らなかった場合や、年賀状に記載し忘れた場合には、寒中見舞いを利用して伝えることも有効です。

年賀状じまい後の対応

年賀状じまいを伝えた後の対応も非常に重要です。

対応によって相手との関係を良好に保ち続けることができます。

相手からの反応に対する対応

年賀状じまいを伝えた後、相手から連絡などがきた時の対応も重要です。

適切な対応を行うことで、誤解や不安を軽減し、関係を円滑に保つことができます。

  • 迅速な返答
  • 感謝の気持ちを再度伝える
  • 理由の再確認

「何かあったのかも?」と心配して連絡をくれる場合も考えられるため、できるだけ早い返答を行うことで相手の不安を緩和できます。

継続的な関係を維持するための方法

年賀状じまいをした後も、手紙や贈り物などを通して長期的な信頼関係を築くことができます。

年賀状の代わりに特別な機会に手紙を送るなどの対応を行うことで、交流が続き、関係の維持にもつながるでしょう。

終活年賀状の注意点

終活年賀状を送る際には、相手に対して失礼にならないように細心の注意を払いましょう。

以下のポイントに気をつけることで、年賀状じまいがスムーズに進められます。

一般的な礼儀を守る

終活年賀状は、相手にとって突然の知らせになることがあるため、丁寧な言葉遣いや礼儀正しい文面で書くことが大切です。

無礼にならないように、相手を大切に思う気持ちを込めましょう。

2. 断り方を柔らかくする

「もう年賀状は送りません」と断定的な表現を使うと、相手に冷たい印象を与えてしまうことがあります。

「来年から年賀状のやり取りを控えさせていただきます」といった柔らかい表現を使うことで、相手の心象を損ねることなく伝えられます。

3. 個別対応を心がける

特に親しい人や長年交流のある相手には、年賀状以外の方法で感謝を伝えることも重要です。

電話や手紙、贈り物などを通して、特別な感謝の気持ちを伝えると、今後も良好な関係が続けられるでしょう。

終活年賀状をスムーズに進めるために

終活年賀状は、これまでの感謝をしっかりと伝えながら、年賀状のやり取りを終了する意向を伝えるものです。

適切なタイミングや配慮をもって伝えることで、相手に失礼なく年賀状じまいを進めることができます。

年賀状じまいを考えている方は、今回のポイントや文例を参考にしてみてください。

年賀状のやり取りを終了しても、今後の関係を大切にしながら、良好な交流を続けることができるでしょう。

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この記事を書いた人

終活図書館編集部/思い出コンサルタント®︎
関西を中心に生前・遺品整理事業サービスを提供する株式会社カラーリスタを中心に、終活や保険のプロがさまざまな情報を発信しています。
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