互助会とは、葬儀などの冠婚葬祭への備えとして積立を行うシステムのことです。
加入者が毎月一定の金額を掛け金として前払いすることにより、葬儀などのサービスを受けられる共済制度のこと。
互助会に加入し、積立を行うことで、高額な葬儀費用の負担が軽減されるなどのメリットがあります。
一方では、積立金のみでは葬儀が行えず、追加の費用がかかるなどのデメリットもあるため注意が必要です。
この記事では、葬儀費用の積立「互助会」のメリットと注意点、解約時の方法などについて解説します。
互助会とは?
葬儀などの冠婚葬祭に備えて積み立てを行う「互助会」は、契約額に応じたサービスが受けられるものです。
正式名称は冠婚葬祭互助会であり、経済産業大臣の許可を受けた事業者が運営しています。
元々は会員同士の相互扶助の精神から生まれたものであり、少額を出し合うことで、葬儀費用の負担を軽くする目的があります。
そのため、互助会員は会員価格で葬儀などのサービスを受けることができます。
互助会のメリット5つ
互助会は冠婚葬祭サービスが会員価格で受けられるなどのメリットもあります。
ここでは、互助会のメリットについてご紹介します。
分割払いによる負担の軽減
葬儀の費用は予想以上に高額になることも多く、すぐに多額の費用を準備できない場合もあります。
互助会では毎月または年間の分割払いによって少額から積立ができるため、急な出費にも備えられます。
毎月数千円の掛け金で積立が可能なため、家計にかかる負担が少ないことも大きなメリットです。
事前準備による心理的負担の軽減
あらかじめサービス内容や葬儀プランが決まっているため、予期せぬ事態にも備えられます。
互助会で準備されている会館や設備なども事前に確認した上で準備ができるので、心理的な負担も軽減できるでしょう。
また、残された家族の負担の軽減にもつながります。
積立金は掛け捨てではない
互助会の積立金は掛け捨てではありません。
解約時には手数料を差し引いた後の残金が返還されることが一般的です。
家族もサービスが受けられる
契約内容にもよりますが、加入者本人以外にも家族もサービスが受けられる場合が多いです。
サービスによっては、2等身までなどと決まっている場合もあるため、加入先の互助会に確認しましょう。
会員価格でサービスが受けられる
互助会員は、一般価格よりお得にサービスが受けられます。
また、会員特典などのサービスを受けられる場合もあるようです。
関連施設を利用するときに割引が受けられなど、加入時に特典内容も確認しておきましょう。
互助会の注意点
互助会にはさまざまなメリットがありますが、いくつかの注意点もあります。
失敗しないために知っておきたい注意点をご紹介します。
積立金だけで葬儀費用を賄えるわけではない
積立金だけでは葬儀費用の全てを賄えない場合があります。
契約内容にもよりますが、最低限のサービスだけがプランに含まれ、お花代や式場利用料など追加費用が必要になる場合も少なくありません。
場合によっては100万円近くの追加費用が必要になることもあるため、事前に契約内容やプランを確認しましょう。
解約時に手数料がかかる
互助会の解約には解約手数料がかかります。
掛金を完納している場合でも解約手数料を引かれることが一般的です。
解約時はパンフレットや約款を確認して手続きを行いましょう。
利用しないサービスの返金対応はない
互助会の契約に含まれる葬祭用具やサービスなど、部分的に利用しない場合であっても返金対応などはありません。
互助会の解約方法
互助会を解約するためには、特定の手続きが必要です。
また、互助会員の本人以外が手続きを行う場合は、委任状などが必要になります。
解約手続きに必要なもの
解約手続きには、以下のものが必要です。
- 加入者証(会員証)
- 契約時に使用した印鑑
- 本人確認書類
- 払い戻し先の口座番号
解約手続きの流れ
①解約希望の連絡をする
まずは契約先の互助会に解約希望の電話をしましょう。
解約申込書の送付先を聞かれるので、受け取りができる送付先を伝えてください。
また、解約手続きは互助会の窓口に出向く方法もありますが、書面でもやり取りが可能な場合が多いです。
②解約申込書を記入する
後日、送付された解約申請書に必要事項を記入します。
家族が代理で行う場合は、委任状が必要になるため注意してください。
また、払戻金の振込先は、代理人の口座ではなく、加入者本人の口座になります。
③手続き完了後に払戻金が振り込まれる
解約手続きが完了後、手数料を引いた払戻金が45日以内に振り込まれます。
払戻金については割賦販売法で下記のように義務付けられています。
契約の解除に伴う解約返戻金は、契約約款に定めている手続による申出 があった日から45日以内の一定の期間内に、会員へ払い戻していること。
割賦販売法(前払式特定取引)に基づく監督の基本方針ー冠婚葬祭互助会編ー
解約時に関するよくある質問
ここでは、互助会の解約に関するよくある質問の一部をご紹介します。
契約者が亡くなった場合の解約方法は?
契約者が亡くなっている場合も基本的な解約方法は同じです。
互助会によって解約に必要な書類などは異なるため、確認してください。
例えば、某大手葬儀会社の互助会の場合は、契約者本人が亡くなっている場合は、相続財産になるため、相続人による名義変更を実施後、解約手続きの流れとなります。
また、名義変更には相続人を確認する書類や除籍謄本などが必要になります。
名義変更時には名義変更手数料などが必要となる場合もあるので、約款を確認しましょう。
解約を引き留められることはある?
互助会によっては解約を引き止めたり、手続きを進めないなどのケースもあるようです。
また、解約申込書を郵送せず、担当者が持参し、直接解約を引き止められたなどの声もあります。
解約の引き止めなどのトラブルにあった場合は、お住まいの自治体の消費生活センターなどに相談してください。
互助会は契約内容をしっかり確認しよう
今回は、葬儀費用の積立「互助会」のメリットと注意点、解約時の方法などについてご紹介しました。
葬儀費用の積立ができる互助会は、少額の積立で経済的な負担が軽減できるなどのメリットもあります。
一方、積立だけでは葬儀費用を賄えないなどのデメリットもあるため、契約内容をしっかり確認しておきましょう。
「亡くなった後に会員証が見つかった」というケースも少なくないため、互助会に加入していることを家族に共有しておくことも大切です。
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