「親の大切にしていた遺品が捨てられない」
「親の残した遺品が多すぎて、どうすればいいのか分からない」
親の遺品整理は気持ち的にも体力的にも大変な作業です。
特に思い出の品を処分することに抵抗感や罪悪感を持つ方も少なくありません。
今回は、遺品が捨てられない理由や遺品整理を進めるためのステップ、そして思い出を残す方法について解説していきます。
遺品が捨てられない理由
遺品が捨てられない理由として、下記のようなことが考えられます。
- 気持ちの整理ができていない
- 思い出の品に対する感情
- 物理的な問題
- 処分方法がわからない
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
気持ちの整理ができていない
故人の死を受け入れられず、遺品を捨てることに罪悪感を持つ方も少なくありません。
遺品を見るたびに故人に対する深い悲しみが蘇り、整理が進められないという方もいます。
思い出の品に対する感情
写真やアルバム、故人が愛用していた品物など、当時の思い出が蘇り、手放せないという方も少なくありません。
思い出の品を手放すことで、故人との繋がりがなくなるような感覚や故人が生きていた証を捨てる気持ちになり、精神的な苦痛を感じる方もいるでしょう。
物理的な問題
遠方に住んでいるため、故人の家に頻繁に通えない場合や遺品の量が多すぎて整理が進まないこともあります。
遺品が多すぎて、何から手をつけていいか分からず、捨てられない場合もあるでしょう。
処分方法がわからない
遺品の中には、処分方法が分からず捨てられないというケースもあります。
例えば、故人のコレクション品や仏壇や仏具、お位牌などが挙げられます。
手放したいと考えていても適切な処分方法が分からず、捨てられないと悩む方も少なくありません。
遺品整理を進めるためのステップ
遺品整理に明確なタイミングなどはありませんが、賃貸の場合など期日が決まっている場合は、早急に取り組む必要があります。
遺品整理を進めるためのステップを見ていきましょう。
焦らず気持ちの整理をする
「親の遺品を見るのが辛い」などのように気持ちの整理がつかず、整理が進められない場合は、ご自身の気持ちの整理を優先しましょう。
遺品の処分できない場合は、形見分けや供養などを行うことも、心の整理にも繋がります。
悲しい気持ちは我慢しない
自分の中にある悲しい気持ちは我慢せず、吐き出すことも心の整理に繋がります。
ドイツの哲学者である「アルフォンス・デーケン」は、大事な人を失った人が悲嘆から立ち直るまでのプロセスを12段階で説明しています。
- 精神的打撃と麻痺状態
- 否認
- パニック
- 怒りと不当性
- 敵意と恨み
- 罪悪感(後悔)
- 空想形成ないし妄想
- 孤独感と抑うつ
- 精神的混乱と無関心
- 諦めから受容
- 新しい希望
- 立ち直りの段階
必ずしも12段階の通りに辿るわけではなく、段階には個人差があります。
悲しい気持ちを吐き出すことも、次のステップに進むために必要なプロセスであると考えられています。
感情が吐き出せず、気持ちが整理できない場合は、グリーフケアに参加するなど、専門家の力を借りるという選択肢もあります。
処分しやすいものから始める
まずは衣類や下着、消耗品など、処分しやすいものから始めることも整理を進めるステップになります。
雑誌や書籍、壊れているものなどから分類を始め、処分するところから始めてみましょう。
思い出を残すための方法
ここでは、思い出を残すための方法をご紹介します。
写真やアルバムのデータ化
古い写真やアルバムは、デジタルデータ化することで綺麗な状態で保管が可能です。
写真にも寿命があり、劣化が進んでしまうので、残しておきたい写真はデジタル化することで、家族などにも共有できます。
現像された写真は、フィルム台紙タイプの写真アルバムに保管し、直射日光、高温多湿を避けた環境で保管しましょう。
▼古い写真の保管方法はこちらの記事で紹介しています。
遺品のリメイク
着物や衣類をリメイクして新しい形で残す方法もあります。
カバンや小物、クッションカバーなどに作り替えることで、普段から身につけることができます。
遺品や思い出の風景を写真に残す
故人が過ごした部屋の空間を残したいという方もいるでしょう。
株式会社カラーリスタでは、遺品整理を行う前に故人の部屋や思い出の品を撮影し、写真アルバムを制作する「遺言フォト®︎」というサービスを提供しています。
思い出の詰まった賃貸の部屋を解約する場合や持ち家を手放す場合など、写真に残すことで思い出に残り、心の整理にもつながるでしょう。
アルバムには故人との思い出のエピソードなども入れられるので、「故人が生きた証」を残すことができます。
▼遺言フォト®️の詳細はこちら
捨てるのではなく次に繋げる方法
遺品の中には「綺麗な状態で使えるもの」などが含まれていることも多いです。
使えるものを捨てることに罪悪感を持つ方も少なくありません。
ここでは、捨てるのではなく、次に繋げる方法をご紹介します。
形見分けや供養を行う
遺品を家族や親族、故人の友人などに分ける「形見分け」も方法の一つです。
形見分けを行うことで、故人が大切にしていた思い出を共有することで心の整理にもつながります。
また、故人を偲び遺品を供養する方法もあります。
遺品の供養を行っているお寺や神社に依頼しましょう。
リサイクルや寄付をする
まだ使える遺品などは、リサイクルや寄付をすることで、必要とされる方に利用してもらうことができます。
リサイクルや寄付を行うことで、故人の遺品が誰かの役に立ち、廃棄物を減らすことにもつながるでしょう。
遺品整理業者に依頼する
遺品整理業者は、遺品を全て廃棄するのではなく、使えるものをリサイクルしたりリユースするなどの取り組みを行なっています。
例えば、買取が難しい使用品の食器などは、寄付やリサイクル、貿易を通じてリユースをしている業者もいます。
大切な遺品を廃棄せず、必要な人に使ってもらえる取り組みを行なっている遺品整理業者を選びましょう。
心の整理を優先し、思い出を大切にしながら進めよう
今回は、遺品が捨てられない理由や遺品整理を進めるためのステップ、そして思い出を残す方法について解説しました。
遺品が捨てられない理由は人によって様々ですが、親の遺品整理は精神的にも体力的にも大変な作業です。
「親の遺品を見るのが辛い」など精神的に辛い状況であれば、まずは心の整理を優先しましょう。
1人で全てを背負わず、早い段階で遺品整理業者に依頼することも負担を軽減させる方法の一つです。
遺品整理のプロは、思い出を残す方法や次に繋げる取り組みなどの解決策を提示してくれるでしょう。
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