銀行口座だけじゃない!証券口座も早めの整理を

株式投資をされている方であれば、多くの方が証券口座をお持ちではないでしょうか。

中には複数の証券口座を開設している方もいらっしゃるかと思いますが、それらすべての口座をきちんと把握できていますか?  

証券口座は便利な一方で、管理が疎かになると思わぬトラブルを招くことがあります。

例えば、取引記録や残高が不明なまま放置されている口座があったり、相続時に家族が対応に困ってしまうケースもあります。  

本記事では、証券口座を複数持つことのメリットとデメリット、さらに万が一の時に証券口座がどうなるのかを解説します。

また、いざという時に家族が困らないよう、証券口座の整理術や事前にできる対策についてもご紹介します。

今一度、ご自身の証券口座の管理状況を見直すきっかけにしてみましょう。

目次

証券口座とは  

そもそも証券口座とは何でしょうか。

基本的な仕組みや特徴について解説します。  

証券口座とは?

証券口座は、株式や投資信託などの金融商品を売買するために必要な口座です。

「証券総合口座」や「総合取引口座」とも呼ばれ、投資活動を行う基盤として広く利用されています。  

銀行口座との違いは、利用目的にあります。

証券口座では現金の預け入れや引き出しが可能ですが、あくまで投資を目的とした口座です。

一方で、銀行口座は給与振込や公共料金の自動引き落としといった日常生活の金銭管理に使用されます。  

証券口座=投資用、銀行口座=生活用と覚えると分かりやすいでしょう。  

証券口座は金融商品の取引に特化しているため、投資を始める際には不可欠な存在です。

そのため、多くの方が証券口座を活用しています。  

なぜ口座が複数になるの?  

証券口座を複数持つ人も少なくありません。

では、なぜ口座が複数になってしまうのでしょうか?  

通常、一つの証券会社では一つの証券口座しか開設できません。

しかし、他社でも新たに証券口座を開設することが可能です。

その結果、複数の証券会社で口座を持つことになり、知らず知らずのうちに複数口座を所有している人が多いのです。  

また、投資戦略に合わせて口座を分ける人もいます。

例えば、短期投資と長期投資を異なる証券会社で行うことで管理をしやすくしたり、特定の商品の取り扱いに特化した証券会社を選んだりすることがあります。

こうした理由から、複数口座を持つことは珍しくありません。  

複数口座のメリットデメリット  

証券口座を複数持つことにはメリットもデメリットもあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。  

複数口座のメリット 

選択肢が増える

証券会社によって取り扱う金融商品が異なります。

そのため、複数の証券口座を持つことで、投資できる商品の幅が広がります。

これにより、自分の投資スタイルや目的に合った商品を選べる可能性が高まります。  

サービス・手数料の比較検討ができる

証券会社ごとに提供されるサービスや手数料は異なります。

複数口座を持つことで、それぞれの証券会社を比較しながら最適な取引が可能になります。

例えば、株式取引はA証券、投資信託はB証券、といった使い分けもできるでしょう。  

リスク回避 

システム障害や証券会社の破綻といったリスクにも対応しやすくなります。

一つの口座に資産を集中させるよりも、複数口座で分散管理することで、トラブル時の影響を最小限に抑えることができます。  

情報収集の幅が広がる  

証券会社ごとに提供される投資情報や分析ツールは異なります。

複数口座を持つことで、多様な情報源から投資判断に役立つデータを収集できるのもメリットの一つです。

複数口座のデメリット  

管理しづらい  

口座が増えると、それぞれの運用状況を把握するのが難しくなります。

IDやパスワードの管理も複雑になり、口座を活用しきれなくなる場合もあります。  

損益通算には確定申告が必要  

複数の特定口座で取引をしている場合、損益通算を行うには確定申告が必要です。

特定口座内での税金計算は証券会社が行いますが、他の証券会社の口座と通算する際は自ら手続きを行わなければなりません。  

参照:SMBC マネービバ「特定口座とは?一般口座との違いや確定申告について解説」

情報過多になる  

情報が増えることはメリットである一方、あまりに多すぎると重要なポイントを見失ったり、混乱したりするリスクもあります。

情報を取捨選択する能力が求められるでしょう。  

もしもの時はどうなる?

口座開設者に万が一のことが起きた場合、証券口座はどうなるのでしょうか。  

口座凍結される

認知症と診断された場合や死亡時には、証券口座が凍結されます。

この状態では、株式や投資信託の売買ができなくなり、名義変更が完了するまで取引が制限されます。

成年後見制度や相続手続きが必要になりますが、これらには時間と手間がかかります。  

参照:裁判所「成年後見制度について」

相続手続き  

相続時には、証券会社での所定の手続きを行う必要があります。

必要書類の収集や、どの証券会社に口座があるのか調査をする手間が発生することもあります。

事前に家族に情報を共有しておくことが重要です。  

複数口座をまとめよう

複数口座を持つことで管理が複雑になり、家族にも負担がかかります。

口座を整理し、管理しやすい状態にしておきましょう。  

口座を一つにする  

複数口座を一つにまとめることで、管理が簡単になります。

移管手続きを行えば、すべての資産を一つの口座に集約できます。

手数料や移管可能な商品については事前に確認しておきましょう。  

一元管理する  

どうしても複数口座を維持したい場合は、一元管理を心がけましょう。

専用の管理アプリやスプレッドシートを活用することで、効率的に情報を整理できます。  

元気なうちに証券口座は整理しておこう  

証券口座を整理することで、資産管理がスムーズになり、日々の運用が楽になります。

可能であれば、口座を一つにまとめるのが理想ですが、どうしても複数口座が必要な場合は、最小限にとどめ、しっかりと管理できる体制を整えましょう。  

整理が終わった後は、将来を見据えた準備も重要です。

例えば、任意後見制度の利用や家族信託の活用、遺言書への資産情報の明記などを検討しましょう

また、これらの準備について家族と共有し、必要な手続きや意図を伝えておくことが大切です。  

認知症や事故、突然の不幸といった万一の事態に備えることで、家族が困るリスクを減らせます。

証券口座の整理を始めてみてはいかがでしょうか。  

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この記事を書いた人

終活図書館編集部/思い出コンサルタント®︎
関西を中心に生前・遺品整理事業サービスを提供する株式会社カラーリスタを中心に、終活や保険のプロがさまざまな情報を発信しています。
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