「遺品整理の見積もり依頼で注意すべきポイントを知りたい」
「遺品整理の業者選びで失敗したくない」
遺品整理に関するトラブルも報告され、業者選びに迷う方も多いでしょう。
この記事では、現役遺品整理士がこれから遺品整理サービスを利用される方に向けて、見積もりの内容や注意点についてご紹介します。
実際に同意書や契約書なしに口約束で進める業者もおり、見積もりを依頼されるお客様には、追加請求などのトラブルの危険性をお伝えしてきました。
だからこそ、遺品整理サービスを利用される方に向けて、見積もりの内容や業者選びの注意点を解説します。
この記事を読めば、遺品整理の見積もりの流れや注意点を知った上で安心して依頼できますよ!
遺品整理の見積もりの流れ
遺品整理の見積もりの流れは、仕分け作業や買取の有無によって変わります。
一般的な流れとしては、ヒアリング+買取の査定などを含め30分〜1時間程度です。
お部屋の広さや荷物の量、査定品の量によって時間は前後します。
買取を実施していない業者の場合は、見積もり時間が10分ほどで終わる場合もあるようです。
ご希望の作業内容によっても見積もり時間は変わりますので、事前に下記のポイントを確認しましょう。
- 買取を実施しているか
- 仕分け作業なども対応してもらえるか
仕分け作業については、業者によって対応が異なりますので見積もり依頼の前に確認されることをおすすめします。
遺品整理業者が見積もりで確認するポイント
遺品整理業者が見積もりで確認するポイントは、マンションか戸建てによって変わります。
物件や周辺環境の確認ポイント
- 物量の確認
- トラックの駐車スペース
- 前道の広さ
- 買取りができるものの確認
- エアコンの撤去の有無
- 照明の撤去の有無
- 特殊清掃の有無(孤独死現場に限る)
- 産業廃棄物の有無(消化器や瓦、灯油等)
- 残しておくものの確認
- 作業期日
共通の確認ポイントは、物量や前道の広さ、エアコン撤去の有無など上記のリストに挙げた内容を確認します。
作業をスムーズに進めるためにも見積もりの段階で期日は必ず確認しています。
さらに、戸建ての場合は、下記の内容も確認ポイントです。
- 高所作業の有無(エアコン室外機が屋根の上に設置の場合等)
- 解体やリフォームの予定の有無
エアコンの室外機が屋根の上に設置されているなど高所作業が発生する場合は、対応できないケースもあります。
また、リフォームの予定がある場合などは、作業時に傷をつけないように注意が必要なため、事前に確認します。
さらに、解体工事の有無も荷物の撤去に関わるため見積もり時に確認を実施しています。
解体工事の業者と直接打ち合わせする場合もあります。
マンションの場合は、下記の内容を確認します。
- エレベーターの有無
- 養生箇所の確認
- 管理会社の連絡先確認
- トラックの駐車場所の確認
- 原状回復の確認
- ハウスクリーニングの有無
原状回復の場合は、建具や浴槽、便座撤去の有無など管理会社によって違いがあります。
特にURの場合は、原状回復の条件が細かいため、作業前に必ず管理事務所に確認しています。
また、ハウスクリーニングをご希望される場合は、手配が必要なため事前に確認いたします。
ご依頼者様への確認ポイント
物件や荷物の量だけでなく、見積もり時には以下の内容も確認します。
- 探し物の有無
- 貴重品等の有無
- 作業期日
- お仏壇の撤去の有無
- 仕分け作業の有無
「必要なものまで捨ててしまった」などのトラブルを防ぐためにも、探し物や貴重品の有無などは必ず聞いています。
また、お仏壇の撤去が必要な場合は、撤去前に御霊抜きの確認をしており、必要があればお坊さんの手配も行います。
必要なものと不要なものの仕分け作業が必要な場合もご提案させていただきます。
現地見積もりを依頼する3つのメリット
遺品整理業者に見積もりを依頼する時は、現地見積もりを利用しましょう。
最近では「LINEや電話で見積もりができる」などと謳う業者もありますが、荷物量や周辺環境を実際に見なければ正確な見積もり料金は分かりません。
現地見積もりをせず依頼してしまうと、追加料金を請求されるなどトラブルになる可能性もあります。
ここでは、現地見積もりを依頼する3つのメリットについて見ていきましょう。
要望を伝えることができる
現地見積もりではスタッフと直接現地でやり取りできるため、細かく要望が伝えられます。
例えば、作業現場で残してほしい遺品や作業日に注意してほしい内容などを実際に確認しながら共有できるため、トラブル回避につながるでしょう。
また、困り事や不安ごとを直接聞いてもらえるため、解決策の提案が受けられる場合もあります。
正確な見積もり料金が分かる
冒頭でもお伝えしましたが、電話やLINEだけの情報では正確な料金は分かりません。
戸建やマンションなどの物件情報だけでなく、仏壇の有無、ハウスクリーニングの有無などによって見積もり料金は変わります。
実際に現地を見ることで正確な料金が把握できるのです。
現地見積もりをせず作業に入ると、思わぬ追加料金が発生する可能性もありますよ!
スタッフの対応が確認できる
現地見積もりは、スタッフと直接やり取りできるため、対応が確認できる点もメリットです。
スタッフの態度や身なりなどからサービスの質を見極められます。
見積もりに時間をかけず、口約束で済ませる業者もいるため、スタッフの対応はしっかり確認しましょう。
見積もり依頼時に注意したいポイント
訪問見積もりを依頼する場合、トラブルを防ぐためにも次のポイントを確認しましょう。
- 見積書または同意書の内容
- オプションの有無や内容
- 回収した不用品の処分方法
契約後のトラブルを回避するためにも必ずチェックしてください。
見積書または同意書の内容
現地見積もり後に、見積書または同意書を送ってもらえるか確認しましょう。
見積書や同意書には、作業内容の内訳やキャンセルポリシーなど重要な事項が記載されています。
また、作業内容だけでなくオプションの有無や内容も明記されているか確認しましょう。
キャンセル料の有無や追加料金が発生する場合などもチェックです。
見積書や同意書がなく口約束で済ませる業者は、追加料金やキャンセル料など請求する可能性もあるため注意が必要です。
オプションの有無や内容
例えば、特殊清掃やエアコンの取り外し、ハウスクリーニングはオプションの場合が多いです。
特にエアコンの取り外しはオプションになるケースも多く、希望する場合は見積もり時に確認しましょう。
屋根の上に設置されているエアコンを撤去する場合は、高所作業になるため別途費用がかかるケースもあります。
回収した不用品の処分方法
遺品整理業者の中には、無許可で不用品を回収し処分する業者も存在します。
遺品整理のように家庭の不用品を回収する場合は、「一般廃棄物処理の許可」が必要です。
無許可業者の場合は、不法投棄などのトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
正しい方法で処分している業者は、一般廃棄物収集運搬業の許可を持った業者との提携など、処分ルートを提示できます。
トラブルに巻き込まれないためにも、回収した不用品の処分方法も確認してください。
安さだけを強調する業者には要注意
遺品整理は料金の安さだけで業者を選ぶと、思わぬトラブルに巻き込まれるかもしれません。
料金の安さを強調する業者の中には、後日高額な追加料金を請求するなど、トラブルの報告もあります。
消費者庁へのトラブル事例もありますが、料金の安い業者が全て悪いわけではありません。
買取やリサイクルなど企業努力で安くサービスを提供している業者も存在しています。
また、「その場で契約すれば安くする」などと契約をせかす場合や見積もり当日にそのまま作業を迫られる業者にも注意しましょう。
明らかに安すぎる、見積書がもらえないなどの場合も要注意です。
費用の相場を把握するためにも、複数社に見積もりを依頼するのがおすすめです。
まとめ
今回は、遺品整理サービスを利用される方に向けて、見積もりの内容や業者選びの注意点を解説しました。
遺品整理の見積もりは、荷物の量だけでなく、作業現場の周辺環境なども合わせてチェックします。
電話やLINEでは正確な見積もり金額は分かりませんので、追加料金の請求などのトラブルを予防するためにも、必ず現地見積もりを依頼してください。
また、見積書や同意書などを発行してもらえず、口約束で済ませる業者には要注意です。
高額なキャンセル料を請求されるなどのトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
安心して任せられる業者を探すためにも、現地見積もりでスタッフの対応もしっかり確認しましょう。
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